FILE14 尚更世界は
飛夜理がお冷を取りに行っている間、愛歌の目に入ったのは保護者たちの元にたどり着いた一人の女性を見かけた。
「はい、愛歌。抹茶オレ」
「ありがとう。」
瑠亜に貰った可愛らしいコップに入れられた黄緑の抹茶オレをずずっと啜りながら教室内を見回し先程の女性に目を向け「ぶっ」と啜っていた抹茶オレを吹き出した。
「あああ愛歌??!姉貴ー!タオルー!」
「ちょっとー、愛歌らしくないわねー!何してんの、もー!」
とか言いながら怒る若尾双子を尻目に愛歌は瑠衣から借りたタオルで顔を拭く。
「な………なんでもないのよ。」
「なんでもないことないことないだろ……」
「珍しいじゃない。愛歌がこんなに動揺するなんて」
「い………いいえ、本当になんでもないの」
と椅子に座りながら話していると奥からお冷を持った飛夜理が出てきた。
それを見つけたのか保護者がこちらを見ている。
「あ"ーーー!!!?飛夜理!!」
中でも立ち上がって声をあげたのは茶髪でショートカットでカジュアルな格好をした女性だった。
「ぎゃあ!!!!母さん!!?」
あぁ、バレた。と愛歌は哀れ惜しむ様にその光景を見る。
その女性は飛夜理の母親だった。
「まぁ、母さんからしたら面白いからいいけどさ!!!!」
周りの、ましてや保護者たちまでに「え''っ!!?」と声をあげた。
「まぁ。母さんこういうキャラだしな………うん」
「………早く、お冷持ってけ」
はいと返事をして飛夜理はとぼとぼ歩いていった。
ついで、と言って愛歌も飛夜理について行った。
「こんにちは。お母さん方。」
愛歌が挨拶すると「あら、愛歌ちゃん!お久しぶりー二人がお世話になってるわ〜」と飛夜理母がいうといえいえと愛歌が言い、「そうよ、こんな奴ー」と愛歌母が言ってなんだかあとは保護者立ちで盛り上がっていた。
「はい、奥様方。ケーキでございます」
えらく丁寧な麗華がケーキを3つ持ってくる。こんなのメニューにあっか……?と愛歌は疑問に思う。良く考えたら厨房には瑠衣がいる。それならこんなケーキが出てきてもおかしくないと思った。
「ま、いいこっちゃいいこっちゃ、こんなカフェも。………なんか男装女子と女装男子がいるけど」
「まぁね」
騒いでいた声を聞いたのか外にいたもあと真吾が揃って帰ってきた。そして、保護者と笑談をしていた。
「あら、先生らも………そんな格好を!?」
よく喋る奴らだと愛歌は目を細める。
もあたちがこうして平和に、尚且つ自分が生きている。そんな世界が存在するなんて、思ってもいなかった。だから尚更、世界は違って見えた。




