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FILE11 文化祭前日

「出来たよー!」


 そう瑠衣が嬉しそうにいくつも箱を抱えてやってきた。その箱には『瑠亜』『飛夜理』『悠志』『優』『真吾先生』と書かれた札が貼ってある。


「瑠衣さん、これは………?」


 優がぽかんとした顔で問いかける。

 突如瑠衣が持ってきた箱という点に瑠亜は余りいい予感はしなかった。


「開けてみなはれ。あ、ただし怒んないでね?」


 じゃよろしく!と言って、教室をパタパタ立ち去る。

 残された五人はとりあえず箱を開ける。そして、声を揃えてこう叫ぶ。


「「瑠衣(あねき)ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」」


「あう、瑠衣さぁん…………」


 もうやだと飛夜理は声を漏らす。そして、その箱には『衣装』と『ウィッグ』が入っている。衣装は女性物だった。なにかの間違いかと思いたいがそうは行かない。

 飛夜理の箱にはメイド服と愛歌の茶髪だとしても明るい茶色のウィッグ。そして、悠志の箱には浴衣と同じ髪色でグレーの長いウィッグ。優の所は紺に近い色(優の地毛色)より濃い黒の長いウィッグとスカート。真吾や瑠亜の所にはウィッグはなく、真吾にはスカートとリボン、瑠亜にはエプロンが入っていた。


「よく用意したな………瑠亜、気づかなかったのか」


 真吾が瑠亜に問う。瑠亜は「話は解ってたんスけど、詳しくは姉貴の部屋入れないから知らなかったッス。」とあっさり答えた。


「にしても…………悠志さん、予定通り似合いますね。サイズもぴったりです」


「…………………」


 そう優と悠志の会話が聞こえてくる。浴衣を来た悠志を見て優に真吾が「つーかお前着付けできんのか」と言う。それに優は、「はい 。ある程度なら」と笑顔で答えた。


 それから10分後、全員、(半)強制的に、尚且つ予定通りに着せられたのだった。


 それを見て女子(愛歌除く)は「おぉー!」と関心する。


「…………てか、瑠衣。なんで………俺と悠志のだけサイズぴったりなんだよ…………いつ測った………」


「えー、身長的、制服サイズ、体格的に計算しただけだよ?」


「今決定的なのが聞こえたんだが」


 まぁ、その飛夜理のツッコミは置いておいて。

 がらりと引き戸が開かれ、ユノが顔を出す。


「おうよー、瑠衣い……………ぶっ、何だお前ら!その格好は!」


 ユノは飛夜理と悠志の肩を握り慌てている様子だった。それを見て舞菜が「今時は"飛夜子"と"悠子"とでも読んでやってくださいよ。」と言った。


「なんだ、そのヒヨコみたいな言われようは」


 ユノはむーっと考えてはいたが良く分からないから「あ、瑠衣、衣装ありがとうな。…………ってこれだけ言いに来たんだがな」と思い出すように呟いた。

 そして、志呑がにゃんの助を連れて創ときずなとふぶきがやってきた。


「ファァァア!!!カワイィィィィ!!!!」


「志呑、落ち着け」と創が冷たく言い、持っていた出席名簿のファイルで志呑を叩いた。


「あでっ」


 志呑が声を漏らす。そして、創は本当にこいつは………と、怒りを少し露にした。

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