FILE10 文化祭から体育祭
さて、借り物競争までが午前中の部だった体育祭。今は平和な昼食タイムである。
「じゃーん♪志呑姉さま特製弁当ー♪」
と、お重に入ったおかず達を並べる。一段目には色とりどりで水々しい野菜たち。二段目には唐揚げなどの油もの。三段目には卵焼きや色々なおかず。四段目にはおにぎりがぎっしり入っていて、五段目にはフルーツがたくさん入っていた。
「姉さん…………………」
「何よ悠志ー。たまにはいいじゃん♪」
「……………」
悠志は黙り込んだ。が、にゃんの助が擦り寄るとちょっと目付きを緩め、「………たまには、ね」と呟き、にゃんの助を撫でた。
「しかし、志呑さん張り切ってますね」
隣にいた飛夜理が不意に呟く。そして、志呑も確かに、と一人納得している。
「まぁ、わたし的には、『明日』が楽しみだなぁ」
「明日………くくっ…志呑さん…聞いたんですね………くくっ…!」
瑠衣が笑いをこらえながら志呑に問うと「もあ先輩がね、言ってたの」と答えた。
「もあ先生と愛歌提案だしねーあれー」
舞菜がけらけら笑っておにぎりをほうばる。何気ないセリフではあったから、皆が約ワンテンポ遅れて、「ふぁ?!」と愛歌の方を見た。
「…………」
何も愛歌は答えなかった。
ちょうどその時に午後の部が始まるチャイムが鳴った。
体育祭も後半戦。リレーが最後の唯一の競技だ。
「今回は教員組も参加です!」
そう実況をするのは志呑だった。…………さっき、創が志呑に頼んだのはこの部の実況である。
「第一走者は、希月ちゃん、きずなくん、飛夜理くん、あらし、真吾先輩です!」
一人約100m×四人。あらしやきずな達は一人200になるが別に嫌がっていない様子だった。
「それでは!いちについてよーい………スタート!!」
瑠衣の合図と共に走り出す。ぐるりと大きなカーブを飛夜理と真吾がトップあたりで走り、次の人にバトンを渡す。
「飛夜理くんは麗華ちゃんに!真吾先輩は………およ!?創先輩だぁぁぁあ!!」
見た目とは正反対に声をあげて実況をする志呑。
一人でキャッキャと実況をしていると、飛夜理が終を知らせるピストルを鳴らす。
「結果は………!教師組優勝です!」
大人げない………とユノは頭を抱えた。
さて、今からは文化祭の用意に取り掛かる。
えっさほいさと瑠衣が衣装の最終調整をして、「これでよし」と笑顔で教室へと行った。




