FILE9 借り物競争って……?!
「次は『借り物競走』だ」
もあが単語を並べていう。
ルールは実に単純。各チーム2人が3枚のメモに書いてある物を借りてくるというもの。
それにもあが補足を加える。
「ただし、かなり細かいからな」
一同はそんなに細かくないだろうと笑い、知る由もなくゲームは始まった。
チーム分けは、夢と瑠亜、雪乃(よく似ている舞菜の妹)と幼めのポニーテールをしたどちらかというとブラウン系な髪色の理事長・智ノ科で、あとはユノとあらし、きずなとふぶきである。
各チーム、3枚のメモを受け取るとぱーっと散らばった。
瑠亜と夢チームはというと『青くて大きくてゴミ回収日に持っていく所に有るバケツ』『水玉のような柄をした猫を抱っこした誰かのお姉さん』『そのお姉さんの兄妹』と言ったまぁ、適当な説明だった。
「「………………」」
流石に場は静まり返る。
どうやら、雪乃たちも同じような雑な説明で戸惑っているのだろう。
「………都合よく猫なんて………」
と、夢が諦めかけた時だった。
「あ!待て、にゃんの助!!」
「!?」
一同は目を丸くした。
白と黒の微妙な水玉の模様の猫を抱き上げた女の人に目が行く。
その女の人は、『グレー』の髪色でショートカットで前髪をピンで止めたスラリとしてはいるが身長は多分、瑠亜ぐらいだろうから、そんなに高くない女の人だった。
「……………引き篭り姉さん…」
そうしかめっ面で呟いたのは悠志だった。
皆が悠志の方を向き、もあが振り返る。そして、目を丸くする。
「あ''!!志呑!!!」
「もあせんぱーい!お久しぶりですー」
その人は志呑というらしいが猫目でクールビューティーな感じが、悠志に似ている。
「悠志の……姉……」
「なら!少しお付き合い下さい!」
夢が声をあげた。すると、志呑は少し首をかしげたが、すぐに答える。
「え?いいよ〜」
「悠志!!来なさい!!」
隠れようとしている悠志の首根っこを瑠亜が掴んで連れてくる。
むすっとした顔で隣に悠志を座らせると、もあが「ゴール、一位な」と首にfirstと書いた紙を夢の首にかけた。
そして、二番にふぶきときずな、三番に雪乃と智ノ科、最下位はあらしとユノだった。
「本当に細かった………」
ユノが膝をつき手を付き、顔を下げはぁぁぁあとため息を吐いた。
「珍しい、ユノさんが嘆いてる」
「確かにな」
「え?!なんか酷くない?!」
瑠亜とあらしの台詞にユノは言い返す。それからユノは振り向くと「お前らちゃんと水分取れよ」と言った。
それを見た志呑は「相変わらずお母さんみたいだねー」とケタケタ笑っていた。
「…………愛歌。悠志に姉がいるって…」
「知ってたわよ。………実物は初めてみたけどね」
飛夜理の質問に愛歌はあっさり答える。
その隣では悠志がイライラとしたオーラを纏っていた。
「姉さん、なんで居るの…………家で大人しくしてればいいくせに……………なんでにゃんの助まで………………」
それを見た飛夜理は、あ、だめだ、近寄らないでおこうと決めた。
「あ、飛夜理が召されたよ」
舞菜が目を丸くした。すると、希月のハリセンが後ろから飛んできた。
「こんのヘタレくそ兄貴ィィィィ!!!」
バシィッ!!
「つぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「………さすが」
愛歌が感心すると希月は「ありがとうございます♪」と答えた。ましてや、兄までもちゃんということを聞かすのだからすごいものだ。
場面が変わり、教員テントでは、さて、次は………と創が紙を眺めていた。そして、これか。と納得すると志呑にある事を頼みに行った。




