27 業轍
──しゃん。
鈴の音。
次の瞬間、鳥居が無数に出現する。
その鳥居はやけに紫色で、そして眼球が一つぎょろりと兎を見すえている。その怪異の名は「縛絡」といった。
封印されている。縛絡は現在、封印されている。
もともとは強い力を持っていたらしいが、その強い力というものは、光の力をもつなにかに強く食い侵されている状態にある。
それゆえに縛絡はその光の力を持つなにかが消えない限り全力は出せないが、ただひとつ、与えられるものはあった。
縛絡が言う。
「業──轍」
業?
守道変身態は「こいつ神仏習合のアレなんだ」とふと考えるが、今はそんな状況ではない。
兎はどうやら「邪視は優先的に殺せ」という命令を受けているらしく、守道変身態に向かってくる。
縛絡は守道変身態に対して自分をくぐって欲しいのだ。
守道変身態は、向かってくるウサギに相対するように向きを変えた縛絡を潜る。
すると、身体の中に「何者か」の戦いの歴史が流れてくる。
五行思想、光が火になり、光が木になり、光が土になり、光が水になる……そういうビジョンが見えた。
そして、それを身体の中にいた怪異が分析し……自分なりの力として発現させる。
闇の粒子は刀を作り出すと、生体装甲を赤く染めた。
刀はわずかに燃えている!!
どうやら形態変化を取り入れたらしい。
縛絡は食われている事を逆手に取ったのだ。自身を食われている現状──……怪異と怪異、魂は繋がったままである。であるならば、「向こう」の経験の一部を理解し、インプットすることくらいはできるだろう……と。
その結果がこの刀の形態である。
赤い変身態になった守道は刀を握りしめて構えると、地面を蹴りキックを放った兎に突き刺す。
そして、自殺の波動を流し入れた。
「ぎ! きぎ! ぎーっ! ぎ、いいっ、ぐ、う、あ!」
ドロッと爆発。
「……業轍……業轍か……し、しかし……少しのあいだ変身しただけでもじゅうぶんに疲れるなあ」
すごく申し訳なさそうにする縛絡を戻して、自身も変身を解除すると、オートバイクにまたがってすぐに帰路についた。
小学生の三人組はそれをスマートフォンで撮影していたので、「リアルヒーローだ」と興奮していたが、突如映像が削除され、スマートフォン内からもデータがすべて抜き取られ、削除され始めた。
「うわっ! うわうわうわ!!」
縛絡………前作でチョロっと出てくる昔ここら一体を支配していた神様で、生贄に差し出されためっちゃ天才のガキに食われて持っていた神性を根こそぎ奪われました。




