#023「灼熱厨房」
舞台は、山崎家。
登場人物は、渡部、山崎、朝丘、聡司、吉原、弘士の六人。
「豚玉が三つ、イカ玉は二つです」
「あいよ」
「牛筋と、葱焼」
「筋と葱ね」
「豚平焼き、追加です」
「あいよ。先に、豚とイカ、持ってって」
「はい。豚玉とイカ玉のお客様」
「ごめんなさい。カシスじゃなくてレモンでしたね。取り替えます」
「筋と葱、持ってって」
「はい」
「チヂミが二つ、それから、海鮮ミックスと、モダンです」
「あいよ。豚平、あがり」
「はい」
「ビール、お待ち。はい、豚キムチが一つ。ただいま」
「海鮮、モダン、持ってって」
「はい」
「お客様、困ります。ここは、洗い場ですから」
「新人くん? 見ない顔だね」
「臨時の手伝いです。あの、お手洗いでしたら、カウンターの向こうへ、お回りください」
「便所の場所くらい、百も承知だ。元は、わしの店だったんだから」
「えっ、あっ、はっ。ひょっとして、孝志くんの大叔父さん?」
「話が早くて助かるよ。通してくれるね?」
「どうぞ、どうぞ」
「豚、筋、海鮮、持ってって」
「はい」
「孝志くん、だね?」
「宏至叔父さん。ご無沙汰です。おい、聡司」
「イカ、キムチ、葱、持ってって」
「はい」
「あぁ、いや、孝志くんだけで良い。聞けば、敦孝くんと聡音が入院してるというし、敦史くんは秋まで戻らないそうじゃないか。それで、様子を見に来たんだ。聡司くんは、ともかく。他の三人は、孝志くんの友人かね?」
「そうです」
「豚キムチが二つ、それから、チヂミです」
「あいよ」
「良い友人に恵まれたね。もし、店のことで困ったことがあったら、わしに知らせなさい。息子たちにも、取り次ぐよう言っておく。忙しいところ、邪魔したね」
「とんでもない。わざわざ、ありがとうございます」
「礼には及ばんよ。わしは、豚平焼きを食べに来ただけだ。ごちそうさま」
「またの、お越しを」




