表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/16

タイトル未定2026/05/20 06:36

 大学の講義を終えた流花と友人の速水渚はやみなぎさは、トイレの洗面台に立っていた。

 流花は手を洗い、渚は鏡に向かってリップを塗っていた。

「佐野君とは、うまくいっているの?」

「友達の延長みたいな感じだけど、楽しくやっているよ」

 鏡で自分の顔を見ながら、渚は答えた。

 流花と渚と、背が高く都会的な男性二人の佐野さの田中たなかは大学で知り合い、四人でいつも行動をしていた。

 佐野は出会った時から渚に好意を持ち、自然に渚と付き合うようになった。

 リップをポーチにしまいながら、渚は言った。

「大学一年の時だっけ?流花ちゃん、田中君と噂になっていたよね」

 思い出しながら言う渚を、流花はハンカチで手をふきながら声を上げた。

「噂?」

「噂になっていたよ。田中君が流花ちゃんに壁ドンしたとか、告白していたとか」

「あぁ、そんなこともあったね」

 まるで他人事のように言う流花を、渚は見つめて言った。

「流花ちゃんって、ホント異性に関心がないよね。バイト先のマスターとは、どうなったの?」

 流花はハンカチをしまいながら、つぶやくように言った。

「……マスターと、つきあっているよ」

 一瞬フリーズをしたように固まった渚は、思わず両手で流花の両肩を掴んで声を上げた。

「つきあっているの?ちょっ、ちょっと!」

 渚は流花の両肩を掴んだまま、流花を押しながら歩き、そのまま流花を壁に押した。

 その時、トイレの個室から女生徒が出てきた。

 渚が壁に流花を押しあてている姿を見た女生徒は、驚き顔で見つめていた。

「誤解しないでね!」

 流花は慌てて言い、渚を引っ張ってトイレから出ていった。


 トイレから出ると、渚は落ち着きを取り戻していた。

 廊下を歩きながら、渚は流花に聞いてきた。

「つきあっているって、いつから?」

「えっと、一年生の途中からかな」

 流花達は、既に大学三年生になっていた。

「そんな前から、つきあっていたの?何も教えてくれなかったじゃない!」

「そうだっけ?」

 不思議顔で言う流花に、渚はため息をついた。

「もぉ〜なんで今まで、黙っていたのよ」

「お互い忙しくて、会うのはバイトの時だけだし。そのバイトも行ったり行かなかったりだし」

「まぁ、忙しいのはわかるけどさ。教えてくれたって、いいじゃない」

「わざと言わなかったわけじゃないよ」

「まさか、忘れていたとか?」

 黙り込む流花に、渚は言った。

「あぁ!やっぱ、忘れていたな!何気にのろけないでよ!」

「のろけ?」

 不思議顔の流花に、渚は呆れて言った。

「流花ちゃん、本当につきあっているの?」

「うん……」

「じゃあ、私が選んだ服を着て、マスターと出かけたりした?」

 流花と渚が一緒にショッピングモールの服屋の店舗で、渚が流花の洋服を選んだことがあった。

 しかし渚が選んだ服は、流花のクローゼットの中に眠ったままだった。

「もしかして、私が選んだ服一度も着ていない?」

 渚に図星を突かれ、流花は黙り込んだ。

「あの服、流花ちゃんも可愛い〜って言って買ったじゃん」

「可愛い服だから、思わず買ったけど……」

「あの服着て、出かければ良いじゃん」

「う……うん……」

「マスターと出かける時は、あの服を着て出かけるんだよ」

 渚の決めつけるような言葉に、流花は恥ずかしそうにうつむいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ