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ハンス・アンデルセンさん 異世界旅行をしていた。  作者: Y・セイ
♠Episodeー six ニヴルヘイムの雪の女王
137/139

act25  対戦

 改まって鴉のフギンから声が上がる。


「それでは双方、駒を装備して下さい。役割駒を各個人に持たせて、武器駒は3人に装備です。あと2人には盾か鎧の防御駒の装備ですよ、それと、試合開始後に於ける駒の変更は出来ませんからね注意してくださいよ」


 その説明を聞きながら僕等は駒を分配する事になった。


「どうする? 重要なのは出る順番と駒の強さだ。先に3勝した方が勝ちになる訳だし、凄く強いのと、凄く弱いので構成する? それとも平均的になるように組んでみる?」


 僕は皆に視線を送りながら問い掛ける。


「ハンスが言いたいのは、女王に武器を装備して武力13にしておき、兵士は防具を装備して武力4の捨て駒するのか? はたまた女王は武器無しの武力10、兵士には武器を付けて武力7にしておき、全体的に負けにくい感じにしておくかって事だろ?」


「そう、その通りだよ」


「でも、捨て駒は必要じゃねえか? 絶対に勝てる3勝の方が安心感があると思うぜ」


 バステトは強い弱いの組み合わせを押してくる。


「アタシも強い弱いの組み合わせの方が良いと思うわよ、平均的だとリスクが高い気がする……」


 ハルシェシスも強い弱いの組み合わせが良いと思っているようだ。


「よし、じゃあ、捨て駒を作って他を強くする方法にしようじゃないか!」


 祖母ちゃんは皆の考えを纏めて言及する。


「なら、僕は捨て駒で良いよ、兵士で構わない。防具も鎧装備で」


 僕は訴える。つまりは強さは4だ。武器加算もない。


「なら、私も戦士で盾装備で良いですよ」


 ゲルダも訴えてくる。確かにそうすれば武器を持った強い女王、騎士、王子が出来上がり、その3つは簡単には負けないだろう。


「いや、戦士には武器を装備しよう。逆に王子に盾を付けさして、この部分は平均的な強さにしておこう、捨て駒は1つだけにして」


 顎に手を添えた祖母ちゃんが呟く。


「そうね、王子はそれなりに強いから武器を身に付けなくても勝つ可能性が高い。また戦士は武器を身に付ければ王子と同じぐらい強くなるし、その方が効果的な気がするわね」


 ハルシェシスも首肯する。


「じゃあ、ゲルダは王子駒と盾駒を持ってもらって良い? そしてハンスは兵士駒と鎧駒を持って……」


 祖母ちゃんは僕とゲルダに駒を手渡す。


「バステトは騎士と剣だ。ハルシェシスは女王と槍、そしてあたしは戦士と戦斧だ。これで行くよ」


 バステトやハルシェシスにも駒を手渡した。


「で、最初はバステトに出てもらうからね」


「おう、了解だぜ」


 そうして駒を手にした僕達はスノークイーンの方へ向き直る。


 スノークイーンの方では準備が出来ていたようでもうこちらを見ながら立ち竦んでいた。


「お待たせしたね、準備が出来たよ」


「それでは始めましょう」


 スノークイーンは余裕のありそうな顔で大きく頷いた。傍には緊張したコリュス、無表情なカイ君、 動きのない雪像衛兵2人が居る。


 ゲルダは心配そうな表情でカイ君を見詰めている。


「カイ…… あなたを必ず助けます。助けて一緒に連れ帰りますから……」


 そして手を胸の前で組み神に祈るかのように小さくコルポックル語の祈り言葉みたいなのを呟いていた。


「では、最初の者は一歩前へ!」


「じゃあ、俺っちから行くぜ」


 バステトが前に出た。


「それでは、最初は重要です。コリュス行きなさい」


「はっ、女王様」


 狼の獣人であるコリュスが前に出た。獣人対獣人の組み合わせだ。


「コリュス、お前は獣人の裏切り者だ。散々な目に合わされた国の皆やミノタウロスの為にも、こんな対戦じゃあなくて実際にぶち殺してやりたい気分だぜ」


 バステトが苛立ち気味に言及する。


「申し訳ないが、俺は大分昔からこちら側の存在だったのだよ。裏切ったのではなく潜入していただけさ」


 コリュスは当然のことのように言い放つ。


「それでは、第一戦目です。双方、役割駒を提示してください」


 フギンが指示を出してくる。


「俺っちはこれだ!」


 バステトは騎士駒を見せながら叫ぶ。


「俺の方はこれだよ」


 コリュスも騎士駒を出した。


「互角です! では武器駒及び防具駒を提示して下さい!」


 フギンが叫ぶ。


「俺っちは剣だぜ!」


 バステトは駒を見せつける。


「ふふふ、残念だったな、俺は槍を持っているぞ」


「ガ、ガチかよ!」


 バステトは唖然とした表情だ。


「騎士駒は互角、武器駒は槍の優勢の為、勝者、コリュス!」


 僕等側からは、ああああああっという無念の声が漏れ出る。

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