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ハンス・アンデルセンさん 異世界旅行をしていた。  作者: Y・セイ
♠Episodeー six ニヴルヘイムの雪の女王
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act24  遊戯での戦闘

「ふふふ、決まりですね。では進めて参りましょう。改めてですが、そちらの選手は赤髪の女性、栗毛の少年、隼鳥人、猫獣人、コルポックルの少女の5人で良いかしら?」


「ああ、良いよ、というか、あたし等は全員でそれだけしか居ないからね」


 答えを聞いたスノークイーンは微笑みながら頷く。


「では、わたくし達は、わたくしと、この少年カミュ、そして、わたくしの両脇に立っている衛兵二人と……」


 スノークイーンはフギンとコリュスの方へ視線を向けた。


「ねえ、貴方達のどちらか、選手になってもらって良いかしら?」


「えっ、吾輩達がですか?」


 フギンもコリュスも驚いたような表情をしている。


「ええ、是非、お願いしたいと思っているわ」


 二人は微妙な顔をしている。


「よし、コ、コリュス君、君がやりたまえよ、吾輩は監視したり審判的な事をしなければならないのでな」


「えっ、フギン様、監視や審判的な事は私が請け負いますって、どうぞどうぞ折角なので選手としてご活躍して下さいよ」


 二人はやりたくないのか、必死そうに譲り合っていた。


「なら、わたくしが決めましょう。コリュスさん、貴方にお願いします」


「わ、私ですか! そ、そりゃあとても嬉しくて凄く光栄です。喜んでさせて頂きます!」


 僕はフギンが横で小さくガッツポーズをしているのを見逃さなかった。


「と言う事で、コリュスが選手として参加します」


「了解だよ」


 スノークイーンはフギンの方へ視線を送って改まって指示をする。


「それではフギン、貴方は審判員として動くのですから、あちら側にシャトランジの駒を渡してあげて下さい」


「畏まりました、女王様」


 フギンは恭しく頭を下げ、女王の座っている傍からチェス駒というかシャトランジとかいうゲームの駒を持ち出し僕等に渡してきた。


「良いかい君達、司教とかチャリオットとか他の駒もあるけど、使うのは女王、王子、騎士、戦士、兵士だけだよ、それと武器、防具は剣と槍と戦斧をそれぞれ2個づつと、鎧と盾の駒だ。それを取り出し、5人に分けて持たせるように」


 駒は小さめの箱に格好よく収まっていた。


「はいよ」


 祖母ちゃんは受け取る。それを見届けた雪の女王は自らの取り出した駒を掲げた。


「良いですか、わたくしは不正はしません。これらの駒だけを使います」


 雪の女王は態々取り出した必要な駒を見せてくる。それと同じように祖母ちゃんも取り出した駒を掲げ相手側に見せた。


「あたし達もルールは守るよ」


 祖母ちゃんも駒を見せながら答える。


「因みにだけど、負けた時とか魂を取られるって話だったけど、どんな風に魂を奪われるんだい?」


「全ての対戦が終わったら、わたくしの力で魔法で魂を分離させて奪わせて頂きます。貴方達全員分をね」


 スノークイーンは微笑む。


「逆にあんた達が負けた場合はどうやるのさ? あたしは魂を分離させる魔法なんて知らないけど」


 祖母ちゃんは問い掛ける。


「その場合はわたくしが他の4人の魂を奪ってそれを渡します。そして、わたくし自身は自害するような感じで自らの魂を分離し、貴方達に差し出します」


「成程ね、魂を奪うのはお得意技って事ね、まあ、正直な所、別に魂なんて要らないんだけどね、カイ君さえ返してくれればさ……」


 そう答える祖母ちゃんの横でハルシェシスが耳打ちする。


「でも、倒しておかないと、後々厄介になるかもしれないわよ、魂を奪ったら倒したようなものじゃない、受け取りましょうよ」


「それは解っているよ」


 祖母ちゃんは頷くも、またスノークイーンを見る。


「たださ、魂なんていう形の無い物を受け取っても、あたし達は、どう扱って良いか解らないよ、魂が無くなった肉体はどうなるんだい? 魂が無いって事は死んだと同義なんだろ?」


「そうですね、魂は意志体ですから、魂が無くなった肉体は死んだ状態と変わりはありません。ただ活用方法はありますよ、魂の無くなった肉体に別の魂を入れて戦士にしたりするなんかの処置も出来るし……」


「そ、それをされるのは嫌だね…… ただ魂だけをもらっても保管に困るし、申し訳ないけどあたし達が勝った時は魂は要らないから自害してもらっても良いかな?」


「わたくし達全員に負けたら自害しろと言うのですか?」


「あ、いや、カイ君は肉体も魂も返してもらわないと困るけどさ……」


「ではコリュスは?」


「いや、コリュスは要らない」


 それを聞いたコリュスは顔を顰める。


「じゃあ衛兵二人は?」


「衛兵も要らない」


 スノークイーンは大きく息を吐いた。


「じゃあ、こういたしましょう、貴方達が勝った場合は、少年の魂と肉体はそのまま渡し、他の者達の魂は肉体から抜き取ってから消します。あと、わたくし自身はこの手元のスノーラビットに魂を移し、その上で貴方達に渡します。兎に移したわたくしの魂は後で殺すでも好きにして頂いて結構ですから」


 スノークイーンは手元の兎を撫でながら言及する。


「成程、それなら何とか扱えそうだね、じゃあ、そうしてもらえるかな」


「解りました。ただ、貴方達の魂と肉体は、わたくしの好きなように取り扱わせて頂きますね、別の魂を入れたり、別の肉体に移したり」


「ま、まあ、嫌だけど、負けたら仕方が無いね、好きにしておくれ」


 祖母ちゃんは顔を引き攣らせながら答えた。


「あっ、ところで、不正を疑う訳じゃないけど、もし、不正があった場合はどうするんだい?」


「大丈夫ですわ、不正はしませんし、不正はさせないように注意します。ただ、もし不正があった場合は不正を行ったチームは負けになります。そして、負けたチームはわたくしが魂を奪い取ります」


 先程と同じような説明が入る。


「解ったよ」


 祖母ちゃんはふうと息を吐いた。



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