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アンデルセンログ 異世界見聞録  作者: Y・セイ
♠Episodeー six ニヴルヘイムの雪の女王
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act22  スネーウ王国へ

 ペルージャ国を後にした僕達はスネーウ王国を目指して進んで行く。もうこの先に寄る国はない。いよいよ雪の女王に会うのだ。


「ねえ、雪の女王ってさ、ゲルダの幼馴染のカイ君を魂の器にするとかしないとか言っていたって話じゃない?」


 道中、僕は祖母ちゃんに問い掛ける。


「ああ、そんな話だったね」


「魂の器とか何とか言っているって事は、雪の女王は若しかしてコシチェイの一人だったりするのかな?」


 正直、僕としてはずっとそんな気がしていた。その可能性があったからシャルフ領主に対する話もコシチェイの事は避けたのだ。


「ああ、その可能性は高いと思うよ」


 祖母ちゃんはさらりと答えた。


 祖母ちゃんにしても雪の女王がコシチェイの一人だと思っていたようだ。


「その理由としては、ゲルダちゃんが聞いたという魂の器の話もあるし、自分の支配領域をどんどん増やそうとしている事や、その為には混沌や混乱を辞さない所とかが、その可能性を示唆している気がするね」


「そうだよね」


 僕はうんうん頷く。そんな僕の横でバステトも声を発する。


「俺っちも、雪の女王がコシチェイだっていう説は高いと思っているぜ、すげえ匂うと思う、プンプン匂うぜ!」


 バステトにしても疑っているようだ。傍にいるハルシェシスも納得顔で頷く。


「ただ、雪の女王がコシチェイだったとすると大変そうね、ビュルギャ・コシチェイも相当強かったし…… カイ君を返してくれなかったら戦う可能性もあるのよね、アタシ達は勝てるのかしら?」


 ハルシェシスはちょっと首を捻った。


「まあ、雪の女王がコシチェイだとするなら魂を別の場所にしまって不老不死で死なないようにしているんだろうけど、魂の隠し場所を探って始末しておかないとだね、それでも勝てるかどうかは解らないけどさ……」


 そんな祖母ちゃんの言葉に対し、僕は躊躇いながら問い掛ける。


「もし、もしさ、本当にカイ君が魂の器にされてしまっていたらどうするの?」


 とても聞きずらい質問だ。


「そ、その場合は、スノークイーンを封印して、カイ君を自由にするしかないと思っているよ」


「えっ、封印って? スノークイーンを封印なんて出来るのですか? そして、封印すればカイは自由になれるんですね?」


 ゲルダが喜色を浮かべた表情で問い掛けてくる。


「あっ、ああ、多分、自由になると思う。だけど、性格が元に戻るかは解らない、そして、飽くまでも封印だから完全に関係が切れた訳じゃない、まあ、カイ君が老人になって死ぬまで封印し続けられたら、関係がない状態になるかもしれないけど」


「なるほどです」


「そうか封印か、ラプンツェルの時みたいにするって事か……」


 僕はゲルダの横で納得顔で頷く。確かにその方法以外にはいい方法は思いつかない。


「うん、カイ君を以前のまま取り戻しす事が出来そうで安心しました。アンナさん、本当に宜しくお願いします。私も頑張ります」


「ああ、頑張っとくれ邪魔にならない程度にね、あんたに怪我されても困るしね……」


「はい!」


 そんな会話をしながら進む道中は雪が舞いとても寒い。ロートス王国やペルージャ王国付近よりも更に寒くなっている気がする。


 僕等の眼全、雪原の何もない場所に忽然と門が見えてきた。門の横に塀が続いている訳ではなくポツンと門だけがあった。雪原に西洋風な金属製の門が置かれているのだ。


 そして、その門の両脇には燕尾服のような物を身に纏った者達がまるで門番のように建っていた。ただちょっと奇妙な感じで、その者達は人ではなかった。


「こんにちわ、ようこそスネーウ王国へ」


 その二人の者達は二本足で立っているのだが、一人は鴉の顔、もう一人は狼の顔をしていた。


「あっ、お前達は!」


 僕達にはその二人は見覚えがあった。


「ニダヴェリールでは色々お世話になりましたな、吾輩はフギン、そして、こっちの者はコリュスです。覚えてらっしゃいましたかな?」


 不敵な顔で二人はこちらを見ていた。


「忘れるものかい、お前達の卑怯な行いは忘れたくたって忘れるもんかい!」


 祖母ちゃんは言葉を荒げる。そうだ、その二人は飛鼠王との戦いの際に逃げて行った卑怯者だ。


「まあまあ、そんなに熱くならずに落ち着いて下さい。今日の私達は案内人として貴方達のお迎えに参ったのですから」


「お迎えだって?」


「ええ、スノークイーン様のお使いで参ったのです。貴方達をスネーウ王国の王城へ連れてくるように言われましてね」


「スノークイーンがあたし達を招いているだって?」


「はい、このニヴルヘイムで色々とちょっかいを出してくれているようで、是非是非城にお招きしてお話がしたいとの事で御座います」


 その説明を聞いた祖母ちゃんは軽く笑う。


「直接文句を言おうって感じかい、いやいや恐ろしい感じだね…… だけど話が早いとも言える…… ああ、良いだろう、敢えてその誘いに乗ってやろうじゃないか」


「来て頂けるという事で?」


「ああ、案内しておくれ」


「ふふふ、それでは……」


 手招きをするような感じでフギンとコリュスは僕達を誘う。


 そうして僕達はスネーウ王国の雪の女王の城へと向かって行ったのだ。


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