長靴を履いたネコは、なろう式『転生もの』
今回は『長靴を履いたネコ』です。
あらすじ
1)粉ひき職人の三人兄弟の末っ子は親の形見分けで、猫をもらう。
2)猫は長靴と袋をくれたら、幸せにできると豪語。
3)猫はウサギを捕まえて、王様に献上。
4)王と姫が馬車で通りかかる時を見計らい、三男を水浴びさせ、服を盗まれたことにして馬車に同乗させる。
5)猫は、魔王の土地の百姓に「カラバ侯爵の土地」と答えるようにと脅迫。
6)魔王の城で、魔王をだまし、魔王をネズミにして食う。
7)見た目の良かった三男は姫の心をつかみ、結婚して城に住む。
キャラクター
1)粉ひき職人の三男坊(カラバ侯爵)
2)猫
3)王様
4)姫
5)魔王
6)百姓、使用人など
で、今回は、「なろう式転生もの」に改造します。
なろうの読者さんは、あまり知らないかもしれませんが、昔「転生もの」といえば、たいてい「物語のような世界」の人間が「現在」に『転生』して、日常が物語のように変わっていくというのが定番でした。
今回は、それではなく、なろう式の「現代人」が「物語」に入り込むタイプです。
みなさん、お気づきとは思いますが。
このタイプの転生ものの特徴は基本、物語が「二重構造」です。これこそが、転生ものの「肝」。
「既存」のストーリーと「実際」のストーリーの二つが、重なったり、重ならなかったりするのが、面白さの秘訣です。
悪役令嬢ものが面白いのは、「悪役」という既存と「ヒロイン」という実際の二重構造だからです。
テンプレを書こうとなさる初心者の方は、ぜひ、抑えておいてください。
三人兄弟の末っ子は、父の死と同時に、自分が『長靴を履いたネコ』の世界に転生したことを唐突に想い出します。
自分に与えられたのは、一匹のネコ。
ところが、この猫、いっこうに長靴をねだりません。
それどころか、話もしません。ようするに、ただのネコです。
さて。
ここで、問題なのが、『長靴を履いたネコ』の三男坊というのは、『水浴びをして溺れる』以外は、馬車に乗っている『だけ』の役回りなのです。
ネコが動かない以上、三男が自分で動かねばなりませんが、家臣も当然いないので、ストーリーをただ、追っていくのは、無理があります。
したがって、カラバ侯爵領を先に手に入れる必要があります。
ここで、一つ考えます。粉屋の息子が、なぜそこまでして、成り上がらねばならないのでしょう?
やはり、ここは、姫とのラブです。
もちろん、遠目で見てヒトメボレというのもアリはアリですが、相思相愛のほうがロマンがあります。
と、ここまで書いてきましたが。
今、唐突に思いついたのは、猫を人間にして、そっちを転生者にしてしまう方法。
彼女は、孤児かなんかで、行き倒れ寸前を三男坊に救われます。
遺産に猫をもらって喜んでいるおめでたい三男坊に恩を感じた少女は、自分が『長靴を履いたネコ』のネコの役割をこなしていくわけです。
そして、最後の場面で思うわけです。
ああ、これで三男坊は、カラバ侯爵として姫と結婚するのだろうなあと。
ところが、侯爵となった三男坊は、姫には目もくれず、少女を選ぶのです…
なんか今回は、まともな筋になったような……
転生ものを基本的にまともに書いたことはないので、間違っていたらごめんなさい。
また、書いてしまった…