皐月は美月で、楓は楓。
【改訂版】になります。
今度ともよろしくお願いいたします!
葛城皐月は、普通科高校に通うごく普通の女子高生。
普段の彼女はかなり評判がいい。一見、大人しく気弱で内気そうなのだが、時折向けられる微笑みに男女ともに撃ち抜かれる。性格もマメであり、人が嫌がりそうな作業も率先して行いそんな姿に教職員の評価もかなり高い。
見た目も相まってか他の学校には、ファンクラブまで存在する程であり、今日も女性から告白されている。
「お姉様!どうか私を下僕にして下さい!」
放課後、校舎裏に呼び出され突如告げられる告白。
彼女的にはドン引きである。普通の告白ならまだしも、、、いや、女性から告白される時点で普通ではないが、最近になりこの手の告白が急増している。
かなり困惑する。何回されても、答える気にはならないしむしろ下僕って。誰かに聞かれもしたら、、、と辺りを見渡しかなり挙動不審になる。
「下僕とか興味無いのでごめんなさぁ〰️〰️い!」
逃げる様に、叫びながら走り去る。
これが彼女の放課後の日課である。
「お疲れ様、皐月。今日は下僕かぁ遂に新ジャンル開拓だね!www」
彼女に笑いなが近づく彼女は、千葉 楓。そんな彼女を見て少し砕けた様子で話す。
「楓ってたら、また何処かで聞いてんでしょ?まったく。」
「まぁ聞いてたってか、聞こえて来た?かな。あんだけ大声で叫べば誰だって気づくってww」
呆れた様に楓に抗議したが、彼女の返答に急に恥ずかしくなり、顔を真っ赤にさせる。
◆
事の発端は、入学当初まで遡る。
最初の被害者は、当時同高校2年の男子。
見た目は一般的には優れているのだが、性格に難有りで泣かされた女子生徒は、一人二人どころでは無い。そんな彼から見た彼女は、カモにしか見れない。
一見、大人しそうである見た目からして彼女は押しに弱いと思われ告白する。
「葛城皐月さん、僕とお付き合いください。」
「えっと、、、ごめんなさい。」
「何でだ?」
豹変する男子生徒に、後退る。しかし、腕を捕まれ逃げられない。
「良いから付き合えよ!テメェみたいな地味な女は俺の言うこと聞いてればいんだよ!」
声を荒げて強引に腕を引っ張られ、体育倉庫まで連れていかれる。
彼は気付いて居なかった。
嫌がる素振りを見せながらも確かな足取りをとっている事を、、、、、。
扉を締めて、内側から鍵を掛ける。
「お前が悪いんだからな?俺の言うこと聞かないからだ!もう逃げられないぜ。」
男子生徒の口元が歪む。先程から下を向いたまま動かない彼女をどうしようか考え。
「確かに逃げれねぇな?」
「あぁ、そうだな。助けは呼べないぜ?」
「必要ねぇよ、呼ばれない様にわざわざ付いてきてやったんだからなぁ。」
「はぁ?」
金的一発。鈍い音が辺りに響く。
「まだまだお楽しみはこれからだぜ。すぐにくたばるなよ?坊や。」
悶絶する男子生徒の顔に足を乗せながら、跳び箱に目を向ける。
「楓いるんだろ?」
「もち!」
跳び箱の中からビデオ片手に登場。
スカートに付いた埃を払いながら男子生徒を撮影している。彼女の表情はとても面白そうなオモチャを見つけた子供の様に無邪気である。
「テメェら、、、、卑怯だそ、、、、」
「あははは、ねぇねぇ美月聞いた?卑怯だそ、、だってww大事な場面なのに噛んでやんのww」
もはやヒールがどっちか分からない。
そんな状況の中、美月と呼ばれた少女に変化が訪れる。
「先輩、女の子をこんな所閉じ込めるなんて、、正直、キモいです。」
「キター!皐月のボディーブロー!」
喜ぶ楓を他所に、足を乗せたままの状態でいい放つ。
「だとよ、来世で頑張りましょう。」
笑みを浮かべる美月に、もはや男子生徒のライフはゼロであった。
素直に引き下がれば良し、無理やり言い寄る者が居れば二度と学校にこれなくなる。
翌日、泣きながら全裸で体育館に吊るされて居る姿を、朝礼に来た生徒が多数目撃されている。
この際、叫ばれてた言葉が<美月様>である。
事件の前日まで皐月に言い寄る姿が度々目撃されている事があって彼女が疑われたが日頃の行いを知る教職員一同は頭を傾げた。もちろん、被害にあった女子生徒は泣いて喜んだ!<美月様伝説>生徒は口々に噂し、尾ひれが付いてしまう。
「美月少しやり過ぎたんじゃない?」
自分自身に問い詰める少女。
「美月が頭丸めて、先ちょ縫い付けたくらい、どおって事ないしょ?」と宥める楓。
一見咎めている言動であるが、そこにはどこか嬉しそうに見える表情が伺える。そんな彼女の向かえに座る少女は、
「わ、私じゃねーし。楓がやれって!」
◆
一見、大人しそうである見た目からして彼女は押しに弱いと思われ告白する。どもりながら拒否すると素直に引き下がれば良し、無理やり言い寄る者が居れば二度と学校にこれなくなる。
いつの間にか、彼女は周囲から浮いていた。
性格が変わる事が度々あり、初めて目の当たりにするの人は困惑し決まって辺りを見渡し自分がおかしいのではないのか?と錯覚する。
正常である。昔から彼女を知っている者は、肯定の視線を送る。合意された事に対し安堵し、怪奇な視線を送る。
彼女事態、優れた容姿から好意を向けられる事が度々あるがそのどれもが悉く断られる。
通称<美月様>だ。
そして、この学校にファンクラブが無い理由。
「美月様は崇める為であって、決してファンクラブなんて軽々しいもんじゃない!」
結束を固めた女子は強かった。
雨にも負けず風邪にも負けず。
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫な体を持ち
慾を無くし
決して瞋らない
いつも静かに見守っている。
一日に二時間までと節度と
自制心と少しの妄想を食べ
美月さまを第一に
自分の感情は入れず
良く聞き耳を立て
理解し、忘れずに
校舎の外れの林の中の
小さな本拠地にて
東に病気の美月様が居れば
行って看病させて頂き
西に疲れた美月様が居れば
そっとポカリを差し出し
南に死にそうな美月様が居れば
そっと命を差し出し
北にライバルが現れたら
つまらない事はやめろという
嬉しい時、陰ながら一緒に涙し
見当たらなければ、ウロウロし
警察にストーカー呼ばわりされ
褒められなくとも
感謝されなくとも
そういう人に
私はなります。
◆
悪寒を感じ、目を逸らしながら窓の外に視線を向けながら美月はこたえる。その様子を見て、ほぼ黒である。と確信に思う。
彼女の親友であり、数少ない理解者の彼女は悪遊友達である。楽しい事が大好きで、彼女が仕掛けたイタズラは必ずと言っていい程に、悪運が悪運を呼び最悪を招くのである。
しかし、それは人を救う事も稀にある。
「そういえばさ、この前出来たっていうケーキバイキング行かね?楓。」
美月と呼ばれた少女は、話題を逸らすのが上手くない。なんせ彼女は甘いものが苦手である。そんな事を知っている楓は、ニヤリと笑って合意する。
「OK!ただし、美月のまんまでね!」
「なっ!」
「私も食べたいです!」
美月が一瞬青ざめ、次の瞬間表情が膨れっ面に変わり自己主張する皐月が登場する。
「いいのぉ?人混みだよぉ?いっぱい居るよぉ?」
悪どい顔で、皐月に詰め寄る楓にチョップが落とされる。しかし表情は、穏やかだ。失敗っとばかりに白旗をあげる。そんな彼女達の会話は教師に怒られるまで続いた。
◆
私は、葛城皐月。
私には秘密があった。二重人格。
祖父の死後、私は、私の中のもう一人に気が付いた。粗暴で今まで私が否と拒み続けた存在。最初に異変に気が付いたのは両親であり、その事を深く悲しむと共に優しく説明してくれた。
元々は、平行思考の人格であり表だって現れる事は一般には無いようだが、私の一族は違う。最初は7人もの人格を持ち人々を助けたしかし、目立ち過ぎた行為により当時の大名に咎められ殺されたらしい。
それからと云うもの、その人数は減っていき封印を行えば出てこれない様になる。封印は産まれた時に行い、ごく稀であるがたまにこうして歪みで人格が生まれる事があるらしい、封印による弊害とされ。
上手くコントロール出来れば、周囲からは多少変わった娘程度の認識ですむようであり、それほど難しく無いのだがと、両親の顔はまだ暗い。それもその筈、怪奇な視線を集める娘に、出来るならば代わってあげたいと願ったが、また向き合ってもらわねばと云う親心もある。
「私、がんばる!」
両親を心配させない為にも、頑張ろうと子供ながらに私は思った。
17歳の春、私と楓は車に轢かれて死んで、、、
暗く、冷たい空間に来た。
そこで、神と会い
私たちは一人になった。
ありがとうございました!
いかがでした?( ノД`)…
すいません(_ _)頑張ろうと思います。
楽しんで頂けたら幸いです!




