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老骨に鞭を!  作者: G-wen
1章 事の顛末は、、、、大概、神が悪い。
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御家騒動

更新が遅くなり申し訳ありませんでした!

これからもよろしくお願いいたします(^^ゞ

 コツっコツっと足早に石畳を歩く、一人のメイド。いつもの平常心は影を潜め、その歩調に焦りが現れている。


 アダムス様の家から帰宅し、二週間が経過した頃に事件が起きた。


 「お嬢様方は何処に、、、、、。」


 城内の思い付く限りを探した。まだ遠くには行って居ないはず。アダムス様の所に?

  

 それはあり得ないと頭を振る。


 その表情は、怒りを通りすぎ焦り、後悔を纏っている。


 自然と歩くスピードが上がる、、、。


 中庭に差し掛かり、、、、


 視界の端に写る人物に眼鏡が光る。


 



 「ココルお嬢様、お騒がせして申し訳ありません。ルルア様、ルコル様をお見かけしてませんか?」


 ゆっくりとティーカップを皿に置き、視線を向ける。その洗練された動作に長年メイドとしてお城に仕えて来たが、心臓を鷲掴みされたかの様な感覚に陥る。


 「いぇ、、、、ただ、、、。」


 一枚の紙を手に取り、メイドに渡す。


 受け取り一礼。内容に目を通す。


 自然と上がる口角を必死に抑え、お嬢様に一礼し足早に立ち去る。


 「魔法など教えるんじゃなかった。」

 

 ポツリと溢れた独り言を聞く者は居ない。





 眼下に広がる広大な草原を埋め尽くす程の紫、緑、青と色鮮やかな何か。


 そして、一定の距離を空け人影が五つと更に後方に赤いドレスを身に纏った見慣れた人影に気付き表情が一瞬、緩むが直ぐに険しいものに変わる。


 目的の一人である。ルコルの号令に動く色鮮やかな何かとルルアの号令に動く5人の人影。


 先日、教えてしまった。魔法の効果。


 ぶつかり合う二つの能力。


 ルコル様の兵隊「くるみ割人形」、ルルア様の影人「スレンダーマン」。


 「物量が最強!」


 「いや!個々の最強が最強!」


 眼下では、次々とカラフルな兵隊が舞う。しかし圧倒的な物量に両者が一進一退を繰り広げていく。


 それを只、崖の上から見守っている。


 スレンダーマンの伸びる手に、引き裂かれ白い綿が宙に舞う。


 捌き切れないのか、人形の下敷きになり影に戻るスレンダーマン。


 ルルアの影から再び現れる影人、切り裂かれた体からタンポポの綿がふわふわと地面に降り立ち再び湧き出る兵隊。


 「魔力切れを待つしかなさそうですね。抵抗されても面倒ですし。」


 視線をそのままに、背後からの来客に声を掛ける。


 「ヒルダ、居るのはわかって居ますよ。」


 ヒルダと呼ばれた女性が、肩をすくめて木陰から出てくる。


 「いやぁ、すいませんね。元、職業柄なかなか抜けないんでね。」


 視線を一瞬向けるが、直ぐに戻す。興味が無い訳では無い。何故こいつが、、と思うがそれ以上は決して口にしない。お嬢様に対して不敬に当たるからだ。


 「それにしても、、、やってますね。」 


 「えぇ。」


 視線はそのままに短い返事を返す。


 「それであなたは?お嬢様の側を離れて良いのですか?」


 「ん、、?あぁココル様は、あれですので、、、、、。」


 返答に困った様子で肩を竦める様を見て納得する。


 「それは、あなたが一番身をもって納得してますからね。」


 「まぁ、、はい。規格外ですからね。」


 視線を戻し、思考する。


 ココル様が、下のお二方と違い内心ホッとする。

 おいそれと力を行使しない方だからこそ、、これ程ありがたいと思う事は無い。


 「逆行」

 


 この力は、魔王国、、、いや、全世界を見渡しても逃れる事は難しいだろう。

 それこそアダムス様あたりでなければと。


 ヒルダは、出会った時は見た目こそ40代そこそこだったが、今では10代前半かそれ以下まで「退行」された。


 襲おうと来た軍勢を無力化した。只、お一人で。


 その様子を間近で見た自分でさえ、その目を疑った。


 




 ◆





 森の中に、息を殺し潜む。


 いつも通り、金を持ってそうな馬車を狙う。


 手を上げ、静かに仲間に合図を送る。振り下ろせば矢は馬に当たり混乱に乗じて襲い金品を奪う。


 簡単なやり慣れた「仕事」のはずだった。


 タイミングを見計らい、手を振り下ろす。


 しかし、、、矢が放たれない。


 仲間に動揺が静かに拡がる。


 どうした?


 何が起きた?


 ヒルダは思考を巡らす。が一人が声を挙げる。


 「助けてくれぇ!!」


 情けない声が森に響く。動揺が統率に影響し始める。一人、また一人と馬車に襲い掛かる。


 乱戦、この中でも浮く格好に視線を奪われる。


 


 「何処の誰だか理解に苦しみますが、誰を襲おうとしているのですか?」

 

 「おっかねぇのが出てきたな。」


 短剣を構え、向き合う。


 毒ナイフを投げ、一気に距離を詰める。

 これで決まるとは思わないが時間稼ぎぐらいにはなるだろうと放たれたナイフ。避ける気が無いのかそのまま突き進んでくるメイドに顔が歪む。


 「メイドにしか見えねぇけどな!!」


 「あら?ありがとうございます。」


 呑気な声に、足が一瞬とまりそうになる。


 咄嗟に横に跳ねる。自分でも何故跳んだかわからない、しかし、正解だった様だ。


 足が振り上げられた時に生じた斬撃が、後ろの木に当たりへし折れる。


 「一手かぁ、相性最悪だわ。」


 「攻防を繰り広げるのは、あまり好きでは無いです。」


 「私は、好きだよ。小手先がね。」


 内心余裕が無い、思考を巡らす。


 「なら、、、これは、どうだい?」


 一本のナイフが、無防備な少女を襲う。


 「ココルさぁまぁ〰️〰️〰️!!」


 甲高い声が森に響く。


 一瞬の隙に向きを森に変え逃げる算段をつけようと思考する。


 が、直ぐに異変に気付く。


 体がピクリとも動かない。それどころか、指一本も動かせない。


 殺そうした少女が、立っている。


 ナイフが手元に戻ってくる。


 視界に写る全てが、巨大化していく。


 思考が追い付かない。


 沈黙が支配した森の中、視界に写る仲間に現状をやっと理解した。


 子供になる仲間達、短剣を盾を持てなくなり地に付ける様子を目の当たりにし自分に起きたで在ろう異常にやっと気付く。


 慌てた様子のメイドは、逆行するナイフを見て、私を見て目を見開く。


 


 ◆



 

 疲れた様子ここからでも解る。


 魔法は精神を削る。力には対価が必要。

 まだ幼い二人には、早い。


 「もう頃合いですかね?」


 横目でメイドを見る。用事は終わったとばかりに来た道を戻ろうと歩き出す。


 「あぁそういえば、あなたとの決着はまだ、、、でしたね。」


 「やだよ!殺すにならないと勝負すらにならないよ!」


 後ろ手を振り上げ、答え再び歩き始める。


 「私、、、あなたが嫌いですわ。」


 後ろ姿を見送り、問題児様に足を向ける。


 これから始まる“お仕置き”を考えながら。


ありがとうございます!

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