ゴリチョ。
「ほぉえぇ〰️〰️〰️。」
お嬢ちゃん達三人の声が間延びした声がハモる。その横で俺は、内心驚いていた。
魔王城から去ったのが数ヶ月前、家が出来ている。ただそれだけでなく、畑まである。しかも、内装は樹木を生かし、決して派手ではないが“そういうもん”に疎い俺すら感じる品がある。
ちょうどいい。その言葉しか無い
青草の様な物を編み込んだろうか?長方形に規則的に組まれており、床から一段高くなっている。
お嬢ちゃんがタタミだ!と言いながら喜ぶ様子を眺め固有名だとわかるが、室内は土足禁止だと言われた。手間では無いだろうか?しかし、抵抗無く靴脱ぎ並べる姿を見てクランチ同様俺も慌てて脱いだ。内心軽装で良かっと胸を撫で下ろす。
ここでは、椅子の類が無いのか?
クランチは落ち着き無く辺りをキョロキョロ見渡し、口々に質問をしていく。余程気に入ったのか若干興奮気味だ。目的を忘れなきゃいいのだが、、、。
しかし、神様ね。さっきの事といい。この空間といい。
敵じゃ無くて良かったと本心から思う。
テーブルに案内され、腰を下ろす。いつも冷静な同僚の意外な一面に嬉しくなる。
城ではいつも死んだ目で歩き回り、お嬢ちゃんらを探し回って居るもんな、、、。
「魔王国の支所を置かせては頂けませんか?」
席に着くなり一言、なんの脈絡もなくストレートに目的を伝えたクランチに内心驚き、慌てて姿勢を正す。
「まぁ良いよ。今更な気もするし、、、な。」
神さんの言葉に少なからず引っ掛かる所もあるが、目的の達成に胸を撫で下ろす。
「“今更”とは、失礼でなければお聞かせ願えますか?」
クランチの言葉に神さんは視線を外に向け一言。
「少し歩くか。」
短く知りたければ来れば良いとばかりに、支度を済ませ外に出る。俺たちも慌てて準備し後を追いかける。
森の中を少し進み、開けた場所に出た。
エルフ法国やドワーフ王国の連中が、大工仕事をせっせと行っていた。驚くべき所は音が全くしない。森の近くを歩いて来たが全く気付かなかった。通常これだけの人数で、大工作業を行って居れば嫌でも気付くし森の雰囲気で解る。
これでも、一応魔王軍の将の端くれではあるが多少気配の察知には自信はあった。しかし、全く気付かなかった。どういうカラクリかは解らないが神の力の一端とやらに驚愕する。
「なるほど。エルフ、ドワーフ方が既に拠点を作られているのですね。納得致しました。」
そこじゃねーだろ。いや、そこだろうが今はこの真実に向き合わないとな、これはヤバい力だ。
誰にも気付かれず敵国の近くに拠点を作り、誰にも気付かれず接近できる。もしかしたら気付く前に殺されるかもな。それだけヤバい、かなりヤバい。
それに気付いているか?クランチ。
「そんな事はしないから安心しなよ。」
急に背後から声を掛けられて慌てて振り返る。そこには口元を歪ませ立つ神ロキが居た。
「ど、、どうかしましたかい?」
なんとか声を振り絞り返事をする。
「あっ、、僕の前では隠し事出来ないから。心の中なんかを覗くなんて造作もないよ?」
「そうですかい。なら聞きますが、しないと言い切れるんですか?」
半ば諦めで、神ロキに返す。
ロキはわざとらしく人差し指を顎に当てちょっと考える素振りをする。
「する必要性が無いかな?蟻を潰すのに気配を消す意味ある?」
「ない、、、ですね。」
蟻か、、、良い得て妙だな。我々の事だな。
コイツら剣を向ける位なら喜んで仲間にオレなら剣を向けるな、、、せめてオレの手で。仲間が蟻の様に潰される様など見たくないからな。
「そんな事にはならんよ?」
ふと、見上げた先には微笑みながら此方を見る神さんが居た。
「直接手を下す事など儂やロキはせん。あやつは怪しいがな。」
視線の先には、1柱の女神が居た。
「よろしく頼みます。」
「まぁ、任された。」
自然と出た礼だった。そうあるべきと頭を垂れる様は今まで魔王にも向けた事は無い程、洗練されて居たと思う。
ありがとうございました!
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なかなかのスランプ((笑))に陥っています。
頑張りますので、頑張ってください(謎)




