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老骨に鞭を!  作者: G-wen
1章 事の顛末は、、、、大概、神が悪い。
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ダフネフと城下町

【改訂版】になります!

一人執務室の机に座り思考する。

 時折、窓から吹き込む風が白い髪を揺らす。鬱陶しさも感じるが少し冷たい風が背中越しに流れ部屋の空気を清らかな物に変えていく。



 いつもならそれを楽しむ彼だが表情がどこか浮かない。


 目的も無く、只異世界に放り込まれ自身の安全と安寧を求める事が最重要。


 情報がない、まさか見慣れた城が我が家になるとは思わなかった。とりあえず安全である城内を見廻り少しの世間話を交え、自身の設定の不備と相違を探す。


 「全くもって異状はないね。」


 数時間後、再び自室に戻りメイドが出してくれた紅茶を飲みながら先程の事を思い出す。一つあるとすれば忠誠度の高さ、スケルトンやガーゴイルに至るまで話掛けたら感極まった様子で喜んでいた。スケルトンに至っては無い瞳がキラキラするというかなり器用な芸当まで披露していた。


 問題があるとすれば、、、ネーム持ちのメイドであり、メイド長でもあるロイゼが視線の片隅で爪の手入れをしている事ぐらい。優秀ではあるが態度が、、、そうあれと造った自分自身の責任ではあるがかなり気になる。退席してくれて良いのに、


 「何かあれば声を掛けるからしばらく一人にしてくれないかな?」


 「チッ」


 ゆっくりと優雅に歩きながら扉の前に移動し、一礼して退席する。


 舌打ちが無ければ満点なんだが、ツンデレ設定間違えたかな?と思いながら今後の事を考える。


 まず国があるかの確認を行いあれば歴史を、また周囲の地理、自分に対する危険度を調べる。とりあえず適任者を思考しながらアイテムを手にする。


 この世界でも、きっと我々は嫌われる。


 “白地の地図”と“ポータブルポインタ(金)”


 白地の地図は、ポータブルポインタの記録用紙であり自動で地理が書き込まれる。ポータブルポインタ(金)は自身の半径百キロを表示する。色により、範囲と情報が異なってくる。無論、課金アイテムである。消耗品であるがNEWGAMEしない限り消えない。


 それを自室に設置し、放置する。ここは天空城である為、設置するだけでオートでマッピングしてくれる。ゆっくりではあるが移動するので気が向いた時に確認するだけでよい。一先ず確認すると青一色の表示であり現在地は海の上だという事がわかる。


 「さてと、、、ロイゼいるんだろ?」


 ドアの方に向き直り声を掛ける。


 ガタッと音とともに、入室してくる一人のメイド。


 気付かれて居ないと思っていたのであろう。若干表情がひきつっている。ポータブルポインタは城内も表示する。ブィ


 「如何なされましたか?」


 知らぬ存ぜぬを通す気か、、動揺が隠しきれてないメイドを見て笑いを堪える。


 「少し外に出ようと思う。」


 「畏まりました。」


 俯きながら扉の横に控え、プルプルと震えている。扉を開けてもらい、城内を歩き外に出る。庭に出ると体格が良い、一体のアンデットが近づいて来て、片膝を付きながら頭を垂れる。


 全身黒い布を纏っており、牛の頭が顔を覗かせる。ミノタウロスとアンデットのハイブリッドである彼はいくら体を切り付けられても死なない。手には常に愛刀でもある。2m程の牛刀を持っている。


 

 どうしても3mを有に越える巨体が膝を付いても、見上げる形になってしまう。


 「どうしたの?ポポル。」


 「ハッ。例え城内であっても御身を守る盾が必要であります。」


 「うん。ありがとう、心配なのは判るけど、、、いや、護衛宜しくね。」


 「勿体無き御言葉、痛み入ります。」


 言葉と共に立ち上がり、微笑む。

その姿を見て僕は嬉しくなる。そうあれと作ったのだならば、否定は出来るだけしたくない。そう思いながら庭の中心まで行く。30枚一束のアイテムを取り出し宙に投げる。ヒラヒラと舞いながら地面に落ちる。


 「クリエイト“ブラックピジョン”」


 声と共に黒い鳩が30羽現れる。鳴き声一つ上げずにじっとこちらの様子を伺う。1羽を抱え上げ頭に唇を落とすと、黒い鳩が白く染まり話し出す。


 「光栄であります。伝達役しかと遂行させて頂きます。」


 思いの外、ダンディーな声に少し驚く。白い鳩は伝達役、黒い鳩達は調査役であり辺りを調べる。強くは無いが札が燃えない限り消える事は無く、札は白い鳩の中に入り込む。白い鳩が死なない限り死なない黒い鳩。鳩同士がテレパシーで繋がって居て白い鳩が僕に伝える。


 「宜しくね。」


 「「「クルックー!」」」


 一鳴き上げた後に、黒い鳩達は四方に飛び立つ。白い鳩は近くの木に着地し毛繕いを始める。



 「ポポル、町の方を見たいんだけどいいかな?」


 「御意。」


 その様子に満足し、町の方へと歩く。


 城を取り囲むように造られた町は、全部で五つの区画が存在する。そして、そのどれもが各々の役割を持っている。


 内側の中心に、城。


 その外苑を取り囲むように、商業地区、工業地区、農業地区。そして一番外側に、防衛地区。の順番に拡がる様に存在している。

 

 直線距離で言うと商業地区が1㎞、工業地区が2㎞、農業地区が10㎞、防衛地区が町を円形に取り囲むように造られた塀に東西南北に各1ヶ所の門を守るように造られている。


 あとは見渡す限り草原と小高い丘が拡がり、様々な動植物が住んでいる。


 城から一番近い商業地区から、まず足を運ぶ。


 



 ◆



 城門が開き、坂を下る。



 「「オォーーーー!!!」」


 割れんばかりの歓声が辺りに響き渡る。


 「やけに騒がしい見たいんだけどなんだろうね?ポポル。」


 「不快でございますか?」


 心配そうに僕の顔を覗き込む。


 「不快ではないよ?ただね、、、どうしたんだろうかと。」


 「あぁ私の推測ですと、、、、」

 

 ポポルと目が合う。ん?


 「どうしたの?」


 いつの間にか辺りも静まり返っていて、住人達と目が合う。


 もしかして、僕?


 人差し指を自分に当て、辺りを見渡す。


 ウンウンと力強く頷く周囲に、納得する。


 「やぁ〰️〰️」


 「「ワァーーーー」」


 気の抜けた声に対して、再び歓声が上がる。涙を流す者までちらほらと現れ目元を拭っている。


 「ここ10年の間。ダフネフ様は城をお出に成らなかった事で心配していたのでしょう。」

 

 優しい声で諭すポポルに苦笑いしか出ない。


 まぁずっとここの執務室と現実のベッドの行き来しかしてなかったもんなぁ。


 「ポポルも心配してくれたの?」


 「も、勿論で御座います!」


 慌てた様子のポポルを見て笑みが溢れる。


 「ゴホン、お手を振っては如何ですか?」


 「わかったよ。」


 咳払いをして、誤魔化す様に辺りを見渡し提案するポポルに、可愛いなぁと内心思いながらも提案に乗る。


 「みんなぁ〰️僕は元気だぁよぉ〰️〰️〰️。」


 手を振って歓声に答える。


 「ダフネフ様!ダフネフ様!ダフネフ様!、、、」


 永遠に続くんじゃ無いかと思う程の歓声に手を振りながら僕は城内に戻った。


 これは、、、キツイ。


 ガリガリと自分の中の大切な何かが削られる様な感覚。


 先程から心配そうに此方の様子を静観しているポポル。

 

 

「ありがとうねポポル。また何かあったら宜しくね!」


 「承りました。」


 城の入口前まで送ってもらった後、一声掛け自室に戻りベッドに横になった。


 

ありがとうございました! 

次回からまた爺に戻るか悩み中です。

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