アダムスの種
【改訂版】になります!
よろしくお願いいたします!
「して、これからどうされますかな?」
「ふむ、、、、。磨いたら元に戻るかの?」
「、、、、、はい?」
爺の返答に意味がわからないと反応する魔王。
意味がわかったのか、困り顔で言葉を続ける。
「えっと、、鎧の事では無くてですね。」
なんとも煮え切らない態度に、先を促す。
「世界をどうこうの方ですね。」
「あぁそっちかの。」
改めて、立場わきまえ考える。(振りをする)
不安そうな表情を浮かべる魔王や従者達。
期待の眼差しのエルフと女神。
ヨーヨーで遊ぶロキを順に眺める。
「エッフェル塔!」
「すごいの!?儂にもほれ!貸してみろ!」
話が逸れたの、、、、。
ほれ!ロキを見てみぃ。ちゃんと大人しくしとるじゃろ?
え?儂もちゃんと考えろとな?
「まぁ、どうするもこうするもあやつの世界じゃ。儂が動く気は無いぞ?あやつに頼まれたら致し方ないがの。」
「まぁ僕が代弁すると、面倒臭い。だよね?」
ロキが一言一句間違い無しに代弁してくれたが、肯定する訳にもいかない。
「儂は調整者じゃ、世界をどうこうする気は全くない。どこかの勢力が突出したら間引けとあやつに言われとるしな。そう思い、大陸の中心に塔を建てた。地下には獣を放ち、それなりの加護も与えたんじゃ大雑把じゃが、、、な。後は放置じゃな。」
シーンと静まり返る謁見の間。
皆の顔は驚愕に、染まる。
1人のエルフが、震えながら口を開く。
「神は発展を望んで居られないのですか?」
「ん?」
言われてみたら確かにそうだ。皆不安になるのはわかる。しかし儂の見解を話す。
「言いたい事は解る。しかしの?種を絶滅させない事を考えたらどうじゃ?神の前で全てが平等じゃ主神は何処にも肩入れはしない。魔物含めな?」
顎に手を当てクランチが初めて口を開く。
「なるほど、解るような気がします。」
「発展するのは、良いのじゃが各地のパワーバランスを加味すれば小競り合いぐらいが丁度良い。」
「そうなれば、なおさら女神様達のこれは如何なされますかな?」
魔王が横から声を掛けてくる。
「無駄じゃな。」
儂の言葉に石化する女神一同。
「そうなればやる事はないの。これだけ魔王国に居って今更じゃが、肩入れは出来んしな。まぁ孫の手助けぐらいはするかの?」
笑いながら軽やかに言う。たしかにやる事が本格的に無いはキツいな、見守るのは神の仕事じゃと言われてしまえばそれまでじゃ、だがの?それはあやつの仕事であって儂の仕事じゃ無いような気がしてきた。
わしゃ何をすればいんじゃったか?
不意に従者が慌てた様子で謁見の間に入ってきた。
そして冒頭に戻る。
断るのは簡単じゃが期待の眼差しが眩しい。なんかチクチクしたものが当たる。
「」
シーンと静まり帰る部屋に、ふと視線を戻す。
皆の顔に驚愕が露になる。
「、、、、、、、、状況が掴めん。」
目の前には、片膝を付き頭を垂れるドワーフの一団がエルフの横に並ぶ。
「戦わずして、エルフ、ドワーフをまとめるとは流石、魔王じゃの。」
「はぁーー。」
頭を抱える魔王を横目に、考える事を放棄した。
「どうしたんじゃ?」
皆、髭を蓄え三頭身程だが袖から見える筋肉がその厳しい環境を生き抜く為に進化したドワーフ特有の凄みを感じる。
「エルフ族が皆挙って我が家を通過する様を目の当たりにしまして、理由を尋ねると神が降臨し拝謁賜ると聞き及びまして、、、参った次第に御座います。」
流暢に話す様を見て、前世?の記憶に誤りがあると認識する。決して野蛮や粗暴ではなさそうだ。
「なるほどの、、、、、。」
「で、どうするんじゃ?」
横に座っている魔王様に尋ねる。
混乱がまだ抜けて居ないのか、不思議な何とも言えない表情を返される。
「わ、私にここで振りますか?」
「振っちゃったの。」
「いや、、、、。」
咳払いをし、これまでの会話を解つまんで説明を始めた。
「、、、と言い訳でして折角、王自らご足労頂いた様ですが、無駄になりそうです。はい。」
明らかに表情が暗くなる一同。
いや、そんな勝手に期待して、、儂にどうしろと。
おっ!
「主らは、儂に何を望む?」
名案であった!儂もまだ冴えとるの、ある程度なら力に成れるかもしれないからな。
「いえ、神に望むなどと恐れ多いです。」
クソが!いかんいかん落ち着かねば。
「よい、叶えるかどうかは別じゃがな。」
「それでしたら、、、、」
と口を開けたのは、エルフ族の青年。緑の髪に瞳。他にも、黒髪に、白髪と大体がこの三色であり瞳の色が共通している。
「加護とな、、、、。例えばどの様な?」
そこまで考えてなかったのか、言うのが憚れるのか。言い淀む青年。
覚悟を決めた様に此方を向き、目を見て口にする。
「我々は、様々なエルフが集落を其々が独自に納めています。そのどれもがそれぞれの恵みを受け「長くなるかの?」え?」
話始めたら止まらなくなるタイプじゃな。
「すまんな。要約するとなんじゃ?」
「食料です。」
「ん?話が見えてこんな。加護では無くて恵みでは無いのかの?」
「加護です。」
「大地にかの?」
「いえ、我々にです。」
「んぉ?分かるか?」
魔王に尋ねる。顎に手を当て考え込む。
「知恵、、、、では無いでしょうか?」
「知恵かの?」
「はい、エルフ族は種族が多種多様でして、好む食料もまた同様でして、、、、加護を得て農耕をしたいと言う訳では無いでしょうか?」
「あっとるかの?」
「はい、のうこうと言葉は良く解りませんが自然からの恵みだけでは、限度がありまして、、、。」
主に狩猟や採取を生活の糧としているが、安定が無い農耕があるのは、知っていた。だが、神からの加護として教えを乞わねば、普及する事が出来ない。
それだけ、狩猟生活からの脱却が難しいとのこと。
「なるほどの、、、、。集落は全部で何個あるかの?」
「えっと、、、大きいもので、五つです。」
それを聞き考える。種を与えれば良い。ならばどの様な?一つの果実が頭に浮かぶ。
「これを地中に埋め、水を与えよ。」
他の物は追々として、種を生み出し渡す。
増やしたければ成った実の中の種をまた植え、と繰り返す様に付け加え。
目に涙を浮かべて、受け取り大事に抱える。
「主は何を望む?」
今度は、ドワーフの王に視線を向ける。
一年後、、、、。
「「じい様やさいがとれた!」」
「よく育だったのぉ!」
トマトなどの野菜をカゴ一杯に入れ、満面の笑みを浮かべる孫達の頭を撫でた。
因みに、エルフに与えた物は林檎の種。ただの種では無い。どんな環境でも育ち、すぐに実が成る儂特製の種。後に、“アダムスの果実”と呼ばれるそれは、エルフの生活に多大の影響を与える事となる。
(゜ロ゜)
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