始めて違法なものに手を染めてしまいました。訓練編①
「え……それは……ちょっと……嫌です」
「何でだ?俺の弟子だぞ」
「いや、嫌だろだって、会って2回目のやつに、急にアンタの弟子になれって普通やだろ。」
「あーーーなるほど……じゃあまずお試しの弟子ってのはどうだ?」
「えーーーーまぁ、それならいいや」
俺は、小さくボソッと言った
「だが名は気に入ったよ」
「あ?なんか言ったか?」
「なんにも言ってねぇよ」
ゼロはすたすたと歩きだす
「じゃあ、こちらにこい」
ゼロは、穴が空いてる人形からかなり離れた銃を構える場所に呼んだ。
「なんだよ」
「これ」
渡してきたのは銃だった。
「おいこれマジもんだよなこれ」
「当たり前だろ」
れんは、銃を受けとる
「持ってみてなんか感想は、あるか?」
「まぁー思ってたよりもおもいな」
「そうか」
「じゃあ、おれが最初に打つ、みていろ」
すると、ゼロは、ヘッドホンをつけ、静かに構え始める
すると
どおぉーーん
「音うるさーー」
実際ゼロの腕前は、すごかった。人形の頭を真ん中に当たっていた。
「あーーごめん俺だけヘッドホンしてたはごめんごめん」
「いやヤベーだろ」
「まぁ、いいやってみろ」
「え、俺いきなり撃つの!? 無理に決まってんだろ!」
「まぁまぁ気楽にやれ」
「あーーもう」
するとれんはヘッドホンをつけ拳銃をもつ。
「大丈夫だ。構え方から教えてやる。まずは両手でしっかり握って、足を肩幅に開けー」
「……こうか?」
おそるおそる銃を構える俺の横で、ゼロが真剣な表情で見守っている。ずっしりとした金属の重みが手に伝わり、緊張で指先がかすかに震えた。
「そうだ。狙いを定める時は、焦るなよ、狙う的をしっかりみろ」
「……撃つぞ? 本当に撃つからな?」
俺は人形のターゲットに向けて、引き金に指をかけた。
ばーーーーん
「おーーさすがたレイレイ、全然違うところに命中だ!!」
「うるせぇ、はじめてにしては的に近かったろが」
「まぁ最初にしては上出来だな。」
「で、このタイミングで聞くのも変だが、なぜ俺を鍛える、俺は、戦略家みたいな感じだろ、何でおれこんなことやってんだよ?」
「戦略家は……」
ゼロは一度言葉を切り、自分の拳銃をホルスターに収めると、真剣な目つきで俺を見つめた。
「戦略家は、安全な部屋でコマを動かすだけの奴じゃない。俺たちの仕事は、現場と信頼関係でなりたつ職種だ。 現場の空気、銃声の威圧感、死の危険……それを肌で知らねぇ奴が立てた作戦なんて、誰が命を預けられる? 現場で戦う仲間と本当の信頼を結ぶためにも、お前には本物を知ってもらう必要があるんだよ」
「……信頼関係、ねぇ……」
「それにだ、どんだけ完璧な作戦を立てたって、予期せぬトラブルで敵と鉢合わせることはある。その時、自分の身すら守れない奴を現場に放り出すわけにはいかないだろ? 俺の弟子なら、最低限自分の命くらい自分で守れるようになってもらう」
ゼロの言葉には、さっきまでの軽口とは違う圧倒的な説得力があった。
引きこもって画面の向こうの事件を解いていた俺と、命を懸けて現場に立つこの男。世界の違いを突きつけられた気がした。
「……チッ、言いたいことは分かったよ。けど、そう簡単に当たるようになるかよ、こんな重いもん」
俺は悪態をつきながらも、もう一度両手で銃を握り直し、ターゲットを見据えた。
「ははっ、いい顔になったな。じゃあ本日のノルマだ。そこの人形の胸に1発でも掠らせるまで、今日の訓練は終わらんからな」
「はぁ!? 無理に決まってんだろ! 反動で腕、取れるわ!」
「まあまあ、気合い入れろ! ほら、もう一発!」
「クソッ……行くぞ!」
地下射撃場に、引きこもり少年の新たな日常の始まりを告げる銃声が、何度も響き渡った。
次回もお楽しみに!!




