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中学生の引きこもり暇だったので世界政府特殊 部隊のエースに成り上がります。  作者: 九賀 りんたろう


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22/26

深夜のサバゲーで、作戦を作ります!!大会訓練編⑪

今日は2本上げる予定です!!


審判役AIの声が静寂に響く中、俺たちはスタート地点である資材置き場の東側で丸く集まっていた。

 

周囲は街灯もなく、月明かりと遠くの投光器が作り出す濃い陰影で満ちている。無造作に置かれた巨大なコンテナや廃車の山が、まるで黒い迷宮のように立ちはだかっていた。

 

(……やべぇ。緊張で心臓が口から飛び出そうだ……!)

 

俺は渡されたCO2ガスガンのグリップを力任せに握りしめた。

 

周囲を囲むのは、ガチガチの装備に身を包んだプロ中のプロたち。

 

しかも俺とオッサン以外は、全員外国人だ。 周囲で威圧感たっぷりの英語が飛び交う中、元自衛官のオッサンが俺の肩を優しく叩いた。

 

「よし、ヴァイオリン。作戦会議だ。僕らはどう動く?」

 

全員の視線が、一斉に俺へと注がれる。

 

大柄な元軍人も、刺青の入った大男も、みんな「指揮を出してくれ」と言わんばかりの眼差しだ。

 

(言葉も国籍もバラバラなこのバケモノたちを、俺が仕切る……!?)

 

一瞬パニックになりかけた俺は、なんとか意思疎通を図ろうと記憶を振り絞って片言の英語で語りかけた。

 

「あー……リスン! マイ・ネーム・イズ……」

 

汗をかきながら必死に伝えようとすると、大柄な外国人男性がふっと破顔して、流暢な日本語で俺の肩をぽんと叩いた。

 

「ハハハ! 大丈夫だよ小僧、僕たちは全員日本語を話せるからね!」

 

「……あ、そうか、しゃべれるのか!!」

俺の思わずのはつげんに、周りの外国人プロたちも「フフッ」と温かい笑みを浮かべる。見た目の威圧感に反してめちゃくちゃ良い人たちだ。

 

「でも、ここからは声を出せないからね。僕らは君の『手』を見るよ。さあ副指揮官ヴァイオリン、作戦をくれ」

 

元自衛官の男性の言葉に、全員の真剣な視線が再び俺へ集まる。

 

プレッシャーで冷や汗が出そうになるが、ハンドガンを握り直すと敵陣地にいるゼロの顔が脳裏に浮かんだ。


「わかった。まずじゃあ、個別のIDを決めよう」

俺の提案に、プロたちが興味深そうに眉を上げた。

個別ID——チーム戦闘において、特定の人間にピンポイントで指示を出すための識別番号だ。あらかじめ各自に数字を割り当てておく。

 

声が出せる状況では呼びあい静音・無言の隠密状況なら指で数字を示してからハンドサインを送る。そうすることで、混戦の中でも誰への指示かが一瞬で伝わる仕組みだ。

 

「よし、元自衛官のオッサンが1、大柄なあんたが2……」

 

テキパキと番号を振り分けていくと、プロたちは

「ほう……」と感心したように頷いた。

 

「よし、IDが決まったら作戦だ。……って言いたいんですが、何も知らされずにここに連れてこられたので、地形がまったく分かってないです。申し訳ない。なので簡単でいいので、どこに何があるのかどんな道なのか教えてもらっていいですか?」

 

俺が頭を下げて正直に明かすと、元自衛官のオッサンが苦笑いを浮かべた。


 「まぁ、それはいいが……大丈夫かい? ここの地形を聞いて、説明する時間を考えたら残り時間4分とかしか残らない、その短時間で作戦が作れるのか?」

 

「はい、頑張ります!」

 

 即答する俺の姿に、大柄な外国人プロたちも「ハハッ!」と愉快そうに笑った。

  

 「オーケー小僧! このフィールドは大きく分けて3つだ。中央に巨大なコンテナ街、右手に廃車が積み上がったゾーン、左手には見通しの悪い暗闇の木造小屋エリアがある」

 

大柄な元軍人は指を立てながら、テキパキと解説を続けた。

 

「中央のコンテナ街はコンテナが2段に組み上がっててな、キャットウォークみたいな高所から見下ろせる射撃ポイントがある。通り抜けやすいが、上からの射線に一番警戒が必要なキルゾーンだ」

 

「右の車庫(廃車)ゾーンは入り組んだ障害物だらけだが、足元にガラス片や金属くずが落ちていて歩くと音が出やすい。隠密には向かないが、身を隠す盾には困らない場所だな」

 

「左の木造小屋エリアは街灯が届かない一番の暗闇だ。小屋の壁越しに鉢合わせする超近接戦(CQB)になりやすいが、静かに迂回して敵の背後を狙うならここ一択だ」

 

プロの解説は、要点が的確に整理されていて驚くほど分かりやすかった。

 

単なる場所の名前だけでなく、どこが危険でどこが潜伏に向いているのかまで、わずか数十秒で頭の中に立体的なマップとして浮かび上がる。

 

(……すげぇ。さすがプロだ。無駄な情報が一切ねぇから、一瞬で全貌とリスクが把握できる……!)

 

プロの手際の良さに心の中で舌を巻きつつ、俺は脳内でフィールドの構造と、敵の副司令官であるゼロの思考パターンを限界速度で組み上げていく。

 

(コンテナ街の上を取るか、暗闇の小屋エリアから潜んでくるか……! 俺はあらゆる可能性を弾き出し、集中し、考え始める)

 

ゼロのオッサンなら、俺がサバゲー初心者だと高を括っているはずだ。

 

だったら最初は様子見……いや、あいつの性格なら、俺の度肝を抜くために中央の高所から一気に圧をかけてくるか? それとも、裏をかいて暗闇の小屋エリアから静かに忍び寄ってくるか?

 

思考のギアが一段上がる。脳内で120個(100個)だのハンドサインと、さっき振った個別ID、そしてプロから聞いた地形データが複雑に噛み合い、ひとつの「答え」へと急速に結びついていく。

 

『——ゲーム開始まで、残り1分! 各員、配置についてください!』

 

スピーカーから審判の放送が響き渡り、緊張が一気にピークへ達したそのタイミングで、俺は静かに口を開いた。


  

「……作戦ができました」


 

俺の言葉に、周囲のプロたちが思わず目を見張る。

 

「It's so crazy、マジかよ……たった数分でか!?」

 

「はい。とりあえずの作戦なので、聞いて何か意見があれば遠慮なく言ってください」

 

冷や汗を拭いながらも、俺の目には迷いがなかった。

 

プロたちが「こいつ……マジだな」と言わんばかりの真剣な表情になり、俺の周りに一気に引き締まった空気で集まってくる。

 

最後までお読みいただいきありがとうございます。

ぜひブックマーク、感想よろしくお願いします

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