表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
田舎の山奥でこっそりダンジョンの管理人始めました  作者: わたがし名人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/9

第2話 第2階層



 野良ダンジョンの第1階層にある階段を降り、次の階層に向かうイツキ。階段はそこまで長くなく、数分も経たずに次の階層に出る。



 第2階層。


 ここも先程の第1階層と変わらず草原エリアとなっていた。少し違うのは所々に木々が見える点。そして、


(…流石にモンスターはいるか)


 今度はモンスターの気配を感じた。周囲を警戒しつつ草原を進んでいく。探索魔法はやめておこう。ここはセオリー通りに進むことにした。第2階層の広さは先程の第1階層と同じ位だろうか。




 しばらく歩いていると木の影から何かが顔を出す。


「角ウサギか」


 現れたのは角ウサギ。頭に小さな角を生やしたウサギで、ダンジョンのモンスターの中でも比較的危険度の少ないモンスターだ。初心者向けとも言われている。


(一応倒しておくか)


 無視してもいいのだが、ここは初見のダンジョン。一度倒しておいた方がいいだろう。イツキは拳に魔力を込める。危険を感じ取った角ウサギがその場から離れようとする。


「逃がすか」


 イツキは素早く角ウサギの前に回り込み、進路をふさぐ。観念したのか角ウサギはイツキに向かって体当たりを仕掛ける。


「ふんっ」


 イツキは向かってくる角ウサギの頭を力任せに拳で殴りつけた。ぐしゃりと角ごと頭を砕かれた角ウサギは光となって消滅した。一連の戦闘を終え、このダンジョンでも普段通りに動けることが確認できた。



 角ウサギがいた場所に小さな魔石が残る。


「おっ、魔石。ここはダンジョンで間違いないようだな」


 モンスターの消滅と魔石のドロップ。ダンジョンの機能は正常に働いているようだ。発生理由はともかく、少なくともここは一般的なダンジョンと変わりないといっても問題ないだろう。




 その後、イツキは第2階層を見て回る。罠や宝箱など無いか探すも見当たらなかった。現れるモンスターは角ウサギのみで、この階層では1種類しか出現しないタイプなのだろう。再出現の検証も兼ねて、遭遇した角ウサギは全て倒した。魔石の他に、肉や皮をドロップした。肉は今日の昼飯にしよう。


 残るは次の階層へと続く階段だが、これはあっさりと見つかった。第1階層と同じような場所にあった。細かいマッピングはしていないが、おそらく第1階層と第2階層は同じ構造なのだろう。



 イツキは階段に向かい、次の階層を目指す。どこまで調査するか考えていなかったが、とりあえず行けるところまで進むつもりだ。いざとなれば転移石を使って脱出すればいい。





 第3階層。


 基本的には第1階層、第2階層と同じようなフィールドだが、木の割合が増えており、森とまではいかないが見通しが悪くなっていた。


「フォレストウルフか」


 イツキは周囲を囲む複数のモンスターの気配を察知し、その正体をフォレストウルフと判断した。フォレストウルフは森に生息するモンスターで、木々が生い茂るこの階層にいてもおかしくない。


 フォレストウルフは群れで行動することが多く、イツキの周囲にいると思われる数は5~6匹。こちらの様子をうかがっているようだ。


(流石に素手で戦うのはやめておこう)


 イツキは異空間から小ぶりな剣を一本取り出す。狭い場所での取り回しを優先して普段使っているものとは別のものを使うことにした。



(あそこがよさそうだな)


 イツキは前方の少し開けた場所まで進む。フォレストウルフは一定の距離を保ちながらイツキの周囲から離れない。


「おい、出てこい。相手してやる」


 イツキは声をあげ、フォレストウルフを挑発する。すると木の影からフォレストウルフたちが姿を見せる。数は6匹。予想通りだ。


 フォレストウルフたちはいきなり襲い掛かるようなことはせず、イツキの周囲を囲み、イツキの出方をうかがっている。フォレストウルフの厄介な点はここにある。


 ゴブリンなら単体、複数どちらの場合でも考えなしに襲い掛かってくるのだが、フォレストウルフは違う。状況を見極め、常に自分たちが優位を立ち回れるように行動する。フォレストウルフのモンスターランクは低いが、決して舐めてかかってはいけない相手なのだ。



「よし、ここは定石通りにいくか」


 イツキは1匹ずつ対処することに決めた。目の前に立つフォレストウルフに向かって駆け出し、一気に距離を詰める。フォレストウルフが反応する前に斬りつける。


「まず1匹」


 すぐさま右にいるもう1匹まで迫り剣を振るう。


「2匹」


 ここでようやくフォレストウルフが反撃に転じようと動き出す。イツキから一番距離の近い2匹が同時に襲い掛かる。


「おっと」


 2匹の攻撃をイツキは軽々と回避し、反撃する。


「残り2匹」


 一番離れていた残り2匹のフォレストウルフの姿が見えない。イツキが警戒を解いていない様子から見るに、逃げた訳ではなさそうだ。


「サンダー」


 イツキの掲げた指先から雷が周囲に放たれる。辺り一面バリバリと雷鳴が鳴り響く。そしてギャンという鳴き声と共に倒れる音が2つ。隠れていたフォレストウルフに命中したのだろう。


「ふぅ、こんなもんか」


 最初に遭遇したフォレストウルフの群れはひとまず倒したイツキ。ドロップは魔石の他に牙が落ちていた。


「うーん、思ったよりメンドイな。とりあえず先に進むの優先するか」


 このペースで進むと時間がかかると判断したイツキ。第3階層の調査は後回しにして先に進むのを優先することに決めた。まずはダンジョンの深度の確認するのが最優先だ。



 ダンジョンは階層の多さによってランクが決まる。今のところ、大したモンスターがいないこのダンジョンでもこの先はどうなっているかわからない。浅い階層をくまなく調べるよりも、どこまで階層が続くかを確認する方が重要なのだ。




 その後イツキはモンスターを無視して次の階層への階段を探した。フォレストウルフが追いつけない速度で駆け回り、階段を見つけたイツキは先に進む。






 第4階層。


 草原フィールドなのは他の階層と変わらないが、一番の違いは川が流れていること。どこから始まり、どこまで続くのかわからないが1本の大きな川がイツキの目の前に現れた。幸い、川は足元くらいまでの浅さしかないので渡るのにはそこまで苦労しなかった。


 この階層のモンスターは牛型のモンスター。ダンジョンモンスターにしては珍しく温厚でおとなしいタイプだ。害はなさそうなのでそのままスルーして先に進む。






 第5階層。


 この階層は今までの階層と打って変わって、本格的なダンジョンとしての顔を見せる。フィールドは入り口と同じ洞窟の姿に戻り、出現するモンスターも『ダンジョンらしく』なっていた。


 第5階層で現れたのはオーク。ダンジョンでおなじみのモンスターではあるが、序盤の人型モンスターの定番といえばやはりゴブリンやコボルトだろう。それを飛び越えていきなりオークなのは意外だった。


 階層的にはオークが出現してもおかしくはないのだが、今まで出現したモンスターが獣型ばかりだった。なのでこのダンジョンは獣型オンリーのタイプだと思っていた。

 でもよくよく考えてみるとオークも広い定義でいえば豚。つまり法則的には間違ってはいない?


 まぁダンジョンについてはわからないが多い。そういった研究はダンジョン学者の先生のお仕事だ。イツキが考えることではない。



 小難しい考察はやめて今は目の前のオークに集中するとしよう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ