第15話 気になる話
ニーナのダンジョン見学が終わり、一度家に戻ることに。時間はちょうど昼を回っていた。
今日の昼食はカレー。ニーナの大好物だ。こちらで食べた食事の中で一番好きなんだとか。ニーナは毎日カレーでもいいと言ってるが、シルフィーからはちゃんとしたものを食べさせるよう言われている。イツキは食にこだわりはない方なので、果たして毎日の献立を上手く決められるだろうか。少し不安だ。
ちなみに異世界の食事情はあまり進んでいないらしい。こちらのイメージ通りだ。シルフィーもこちらの食事が美味しいから異世界には戻りたくないと言っているほどだ。
昼食後、少し食休みを挟み、今度は山の案内をすることに。ダンジョンに比べたら危険はほとんどないので気が楽だ。
イツキとニーナが家を出ると玄関の前に、
「ニャ」
クロが待っていた。
「どうしたクロ?」
クロも同行するつもりなのだろうか。イツキはそう思っていると、
「ニャニャ」
「え?クロ先輩が案内してくれるの?」
どうやらクロがニーナの案内役に買って出てくれるらしい。確かにクロの方がこの山についてイツキよりも詳しい。適任である。何故やる気満々なのかはわからないが。
まぁでも、それならクロに任せてもいいだろう。
「わかった、クロに案内を頼むよ。ニーナをよろしく」
「ニャ」
「イツキ行ってくる。クロ先輩、よろしくね」
ニーナはクロの後に続き、山へと向かって行った。
さて、いきなり暇になってしまった。どうしよう。
家で待っているか?それなら夕食の用意でもするか。そういえば食材が切れそうだったのを思い出す。食べ盛りが一人増えたことだし、今のうちに買い出しに出る事にしよう。
近所、といっても家から車で30分以上の場所にある野菜販売所へ来たイツキ。この辺りで唯一のお店ということもあり、他にも客がいて賑わっていた。この店には野菜以外の物も揃っている。市街地まで出なくても、大抵のものはここで手に入る。出不精のイツキにとってありがたい場所だった。
「あら、イツキ君じゃない」
「こんにちは」
イツキはもう何度もここを来ているので、この辺りの住人とはすっかり顔馴染みになっていた。イツキは別にコミュ障ではない。当たり障りない世間話くらいはできる。世間話をする中、気になる話を聞く。
「ねぇ知ってる?最近、○○さんの山でサルが現れたらしいのよ」
この近辺に最近、サルが現れたという。元々サルはこの辺りには住んでいないはずだ。きっとどこからか流れてきたのだろう。サルが出た山の住人が困っているという話だ。イノシシとまた対処が違うようで大変らしい。
「その話、詳しく聞いてもいいですか」
イノシシが上手くいったことだし、サルもダンジョンにぶち込めないだろうか。そう考えたイツキは、サルについて情報を集めることにした。
夕方になり、クロとニーナが戻ってくる。
「あー楽しかった」
ニーナはニコニコで帰ってきた。どうやら大満足のようだ。
「ニャ」
クロも満足そうにしている。きっとニーナに自分のお気に入りの場所でも教えたのだろう。仲良くやれているようで何よりだ。
ここら一帯の山はイツキの所有の土地なので、ニーナは好きに動き回れる。人も来ることはないし、きっと気兼ねなく過ごせることだろう。山もダンジョンと同じく気に入ってもらえたようで良かった。今まで窮屈な思いをしていた分、ここでは楽しく過ごして欲しいとイツキは思っていた。
それから数日後。
ダンジョンでの仕事にすっかり慣れたニーナはイツキがいなくても問題なさそうだ。ニーナにダンジョンを任せ、イツキは外出する。
向かった先はサルが出たという山だった。




