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20話

2階 キツネvs万丈


「どうしましたか? この程度ですか?」


「おまえこそ、さっきから息が上がっていないか?」


 キツネの扇子と俺の拳がぶつかって火花が散る。


「どうして君たちは黒豹さんの邪魔をするのかな? あの人こそ今この国に必要な逸材なのに」


「逸材? んなこと知るか! 俺は妹に誓ったんだ! もう誰も犠牲にはさせない。ってなぁ!」


 俺はさらにスピードを上げて連続で拳を打ち込んだ。実月のためにも……そして妹のためにもここで負けるわけにはいかない!


「お前たちのボスは実月に手を出した。だから今度は俺がオメェーたちをぶっ飛ばす!」


「目には目を……ですか? 随分と古臭い考えですね。黒豹さんに任せればもっとこの国は飛躍すると言うのに……」


「ごちゃごちゃうるせーな、俺は俺が大事だと思った奴を全力で守るだけだ! お前たちの好きにはさせない!」


「やれやれ、会話になりませんね」

 

 キツネは扇子を開くと、俺に向かって仰ぎ始めた。白い粉が風に乗って迫ってくる。でも問題ない!


「それを待っていたぜ、キツネ!」


 俺はキツネに背を向けると、窓ガラスを殴り割った。朝から吹いてる強風がショッピングモール内に侵入して、白い粉を押し返す。


「なっ⁉︎ しまった!」


 キツネはすぐに手で口元を覆うが、一瞬遅かった。激しく咳き込んで膝を着く。


「同じ手が効くと思うなよ? クラフト・メタル・アーム!」


 俺の拳がキツネの腹にめり込む。確かな手応えを感じた。


「ぐはぁ……!」


 キツネは腹を押さえたまま倒れ込み、忌々しそうに俺を見上げた。


「勝負ありだ。実月、絵梨香、後は頼んだぜ!」


 俺は近くの柱にキツネを括りつけると、3階を見上げた。




3階 ヘビvs絵梨香


「ヘビ! そこにいるんでしょ? 出てきなさい!」


 私とヘビの間には中央の吹き抜けがあってなかなか近づけない……撃ち合いの中で何発か当てれたけど、どれも決定打にはならなかった。


「ねぇ、どうして貴方ゴム弾を使うの? 実弾を使えば楽に倒せるのに」


 ヘビは柱の後ろに隠れたまま私に話かけてきた。


「クラフトメタルは人々の生活をより良くするもの。本来は人を傷つける道具じゃない! そう教わったからよ」


「随分とお利口に守っているのね。でも正直なところ、ただ言われた通りにして認めてほしいだけでしょ?」


「そっ……そんな事は……」


「貴方、昔のワタシによく似てるから分かるのよ。図星でしょ?」


「………」


 確かにヘビの言ってる事も正しい。もちろんクラフトメタルは人を傷つける物じゃない。でもパパの言う通りにして認めてもらいたい! っと願う自分もいる。


「相手の顔色を伺って都合よく振る舞うのはただの操り人形よ! ワタシが遊んであげる!」


 ヘビは柱から顔を出すと、私に向かって発砲した。


「しまっ……きゃぁー!」


 銃弾が肩を掠めて服が破れる。凄い早撃ちだった。おそらく今の会話で私の居場所を計算していたのね……


「確かに貴方の言う通り私はパパに認めて欲しくて戦っていたわ……でも、今はそれだけじゃない!」


 私は傷口を押さえて銃を構えた。ズキズキと針で刺されるような痛みのせいで手がブレる……


「実月くんと出会って、改めてクラフトメタルの凄さが分かったわ。思いのままになんでも出来る……でも使い方を間違えたら人が傷つく。だから……だから! 悪用する貴方たちは許さない!」


「そんな腕で何が出来るの? ワタシだって負けられないわ。黒豹さんが教えてくれたの。咲ける場所に行きなさいって! その場所が黒豹さんだった……だからここで貴方を食い止める!」


 ヘビの正確な射撃が私の隠れている柱に全弾ヒットする。このままだと柱がもたない……勝負はこの一瞬よ!


「クラフト・メタル・ガン!」


「どこを狙ってるのかしら?」


 ゴム弾はヘビの頭上にあるスプリンクラーにヒットした。強い衝撃で穴が空いたのか勢いよく水が吹き出す。


「冷た! 何してくれるの⁉︎」


「まだ終わりじゃないわ!」


 私は照明のコンセントに狙いを定めてゴム弾を撃ち込んだ。剥き出しになったコードが濡れた地面に落ちる。


「きゃぁぁぁぁ!」


 悲痛な叫びがショッピングモールに響く。隠れているヘビを撃つのは難しい。だったらスプリンクラーの水とコンセントを利用して感電させればいい。どうやら作戦は成功したみたい!


「やってくれたわね!」


 警戒しながらゆっくりと近づくと、怒りからなのか痺れているのか、ヘビはガラガラヘビのように体を震わせて私を睨みつける。


「勝負アリよ!」


 私は念のためヘビを柱に括りつけて最上階を見上げた。




最上階 黒豹vs実月


「この先に黒豹がいる……」


 ボクは深く息を吐くと、目の前の扉に手を当てた。出来るだけの準備はした。必ず勝利してみせる!


 震える手に力を込めて扉を開くと、沈みかけた西陽が差し込んできて一瞬目が眩む。


「待っていたぜ、実月! タイムリミットは残り8分45秒……最後の勝負をしようぜ!」」


 屋上に出ると、黒豹が缶コーヒーを飲みながら待っていた。


「約束通り来ましたよ、覚悟してください!」


「望むところだ!」


 黒豹は缶コーヒーを飲み干すと、ゴミ箱に向かって投げ捨てた。空き缶は美しい弧を描いてすっぽりと入る。


「相変わらず行儀が悪いですね」


「入ったから別にいいだろ? さぁ、全力で来な! クラフト・メタル・ゴーレム&ハンマー!」


 黒豹は黒い人形を作ると、ハンマーを持たせボクに襲い掛かって来た。前回はこいつにボコボコにされた。でも今回は違う!


「クラフト・メタル・ゴーレム&ナイフ!」


 ボクは漆黒の純度100%のクラフトメタルを取り出して人形を作ると、ナイフを持たせて向かわせた。


 鉄のハンマーとナイフがぶつかり火花が飛び散る。今、まさに最終決戦の火蓋が切られた。

ご覧いただきありがとうございました♪

後2話で完結です!

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