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秘封倶楽部の天気は現世のち幻想  作者: だみ
第三章 中国陰陽観光 ~ Profit Is Matchmaking
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第三九話 乗る前に

 さぁ、今日は蓮子と私の旅行準備よ。

 蓮子ったら……私冗談で言ったつもりだったから、まさか当てるなんて思ってもみなかったわ。本当に運がいいのね。

 私達は宝くじでお金を受け取ったわ。その時の受付の人、何処かで見たことあるなって思っていたら、早苗だったわ。まぁ、そこそこの関係ね。

 それで、今はリニアの切符売り場に来てるの。

 今ではリニアが全国に普及してて、国内旅行では飛行機は必要じゃなくなったのよ。しかも全自動。国内ではあちこちが磁石だらけね。方位磁石がおかしくなりそうだわ。っていうか、もうとっくにおかしいけど。

「んー。メリー? 岡山行だけでいいかな?」

「なんでよ」

「だってさ、もしかしたらもう一日居たいなんて事になったら、キャンセルするかそのまま行くかになるじゃん」

「行き当たりばったりね。まぁ、いいわよ」

「やった!」

 旅行なんだから、行き当たりばったりもたまにはいいかもね。

「じゃあ、岡山行だけっと! さて買ったよ。まだ時間があるし……何処行く?」

「そうね……洋服見ましょうよ。折角の機会なんだし」

「そうだね。なら行こっか!」

 蓮子ってよく語尾にエクスクラメーションマークを付けたがるわね。何でかしら? 田舎者だから感情が激しいとか? それはないか。

「どうする? どれにする??」

「まだ見てるわ」

 私達はいつの間にかショッピングセンターに居たわ。そして買い物してるわ。

「んー。これにしようかしら?ちょっと行ってくる」

「はいはいはい」

 私は試着室に行って着替えたわ。その間、蓮子は何をしていたのかしら?

「着替えたわー」

「おぉ、いいじゃん」

「いいでしょ? ドヤァ」

「ドヤァは余計だよ、ドヤァは」

 蓮子と同じような半袖シャツに前と同じスカート。何か合うわね。

「じゃ、買う?」

「んー、これは取っておくわ。もう少し廻りましょ」

「いいよー」

 私達はそれから二時間の買い物をした。あれこれ迷っていたけど、あの半袖シャツに赤いリボンの付いた白い帽子を買ったわ。帽子は蓮子に似た感じの物よ。結構似合うわね。大切な事なので二回言ったわ。

「いいね、それ」

「なら蓮子も買ったら?」

「んー、いや。いいよ。今の方が快適だから」

「あらー。そうなの? いいの、あると思うけど?」

「もう出ちゃったし」

 蓮子はあははと笑ったわ。私もそれにつられて、少しくすっとなったわ。

「戻ってあげてもいいのよ?」

「私がめんどくさい」

「あら、そう」

 私達は蓮子の家に帰ったわ。

 そういえば私の家はどうなってるのかしら? まさか空き巣……はないか。家に鍵がかかっている限り、ピッキングはできないし窓も割れないわ……多分。家はカードキー式だし、企業しか造れないもので厳重管理だから多分大丈夫だと思うわ。

「じゃ、準備するか」

「そうね。長旅だから沢山持ってかないとね」

 私達はいちゃいちゃしながらも中国地方観光の準備をしたわ。

 日本海側の山陰、瀬戸内海側の山陽。略して中国陰陽観光ってところかしら? センスない? 悪かったわねー。

 取り合えず、明日から岡山県に行くわ。なんか不思議に出会う気がするわ。どんな不思議に会えるかしら? 楽しみね。

 私は口元で笑ったわ。

「どうしたの? なんか笑っちゃって」

「何でもないわー」

「えー! 教えてよー。教えて教えて教えて教えて教えてぇぇぇ!!」

 しつこいから足を踏んだわ。

 あの後、旅行前の説教をしたわ。



メリーは暫くはこの服装ですね、はい。

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