↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

最後のミッション、愛の証明

「……バレちゃあ、仕方ないね」


地下施設のコントロールルーム前。


私たちが問い詰めると、怜くんはあっさりと自分が『シークレット・ジョーカー』であることを認めた。いつもおどけていた彼の目に、感情の色はない。


「怜くん、どうしてこんな酷いことを!」


「仕事だからだよ。俺だって首輪をつけられてる。ゲームマスター(黒幕)の指示通りに動かなきゃ、死ぬのは俺だ」


その時。


全員のスマートフォンが一斉に鳴り響いた。


画面が血のような赤色に染まる。


『最終ミッションを発動します! これが正真正銘、最後のテストです!』


モニターのウサギが、狂ったように笑い声を上げた。


『ミッション名【究極の愛の選択】。

皆様のスマートフォンに、2つのボタンが表示されました。「青」を押せば自分の首輪の毒が作動し、ペアの相手が助かります。「赤」を押せば相手の首輪が作動し、自分が助かります。

制限時間は1時間。両方押さなかった場合、あるいは両方が「赤」を押した場合……2人とも仲良くデッド・エンドです!』


「なっ……ふざけんな!」


司くんが叫ぶ。


つまり、自分が生き残るためには相手を殺すか、愛する人を守るために自分が死ぬか。


最悪の二択だ。


「いやっ……私、死にたくない……!」


司くんとペアを組んでいた莉奈さんが、泣き叫びながらスマホの「赤(相手を殺す)」ボタンに指を伸ばす。


「莉奈! 待て、やめろ!」


司くんが莉奈さんを止めようと揉み合いになり、莉奈さんがバランスを崩して階段から落ちそうになった。


「危ない!」


司くんは咄嗟に莉奈さんを庇い、代わりに自分がコンクリートの床に強く叩きつけられてしまった。


「つ、司くん……!? なんで、私、あなたを殺そうとしたのに……」


「……男が、女の子を守るのは、当然だろ……バカ」


頭から血を流しながら笑う司くんを見て、莉奈さんは声を上げて泣き崩れた。


「……結愛」


静かな声で、湊くんが私を呼んだ。


彼のスマホの画面には、すでに「青(自分が死ぬ)」ボタンに指が置かれていた。


「湊くん、ダメ!!」


「俺の目的は、姉さんの復讐だった。でも、今は違う。俺は、お前に生きて帰ってほしいんだ」


彼のミステリアスな瞳が、今は優しく私を見つめている。


「私もだよ! 湊くんがいない世界なんて、絶対に嫌だ!」


残り時間はあと15分。


その時、ずっと部屋の隅でパソコンをいじっていた花音ちゃんが、弾かれたように顔を上げた。


「……いけるかも!」


「花音ちゃん?」


「私、ずっと地下のセキュリティシステムをハッキングしてたの。この番組のメインサーバーに侵入すれば、首輪のタイマーを一時的に止められる……はず!」


普段はおどおどしている花音ちゃんの眼鏡の奥の瞳が、今は天才ハッカーとして鋭く光っていた。


彼女はずっと、私たちが生き残るための反撃のチャンスを窺っていたのだ。


「でも、完全に解除するには、ゲームマスターがいる奥のコントロールルームから直接システムを壊さないとダメみたい……!」


「……上等だ」


湊くんが立ち上がる。


「花音、タイマーの停止を頼む。結愛、行くぞ。黒幕をぶっ潰す」


「うん!」


私たちは手を取り合い、洋館の最深部、ゲームマスターが潜むコントロールルームへと駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。