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目(め)を瞑(つむ)る

短歌三首の小さな連作です。

暑気の中でふと立ち上がる、音・酒・光・果実の気配を詠みました。

どれも日常の一瞬から生まれたものですが、感覚の跳躍がどこか別の景色を連れてきます。

肩の力を抜いて読んでいただければ嬉しいです。


<1>

目(め)を瞑(つむ)る

レゲエに絞(しぼ)る

ライムの律動(リズム)

見(み)ぬ炎天(えんてん)の

彩(いろ)を香(かお)らせ



【解説】

ジャマイカンラムのロック、

そこに四半割のライムを絞る。

テレビでしか知らない、

これがあの南国の香りとなって、

久しい。




<2>

ああこれが

極楽浄土(ごくらくじょうど)

なるものと

酔(よ)い瞳孔(どうこう)に

炎昼(えんちゅう)眩(まぶ)し



【解説】

暑くて目が覚めた。

日中の酒は効く。

泥酔して開いたままになった瞳孔には、

窓外の何もかもが眩く朧に見えた。

なるほど。

こういった感覚の不具合が、いわゆる

臨死体験とやらにつながるのだなと、

冷房を強めた。




<3>

黒緑(こくりょく)の

縞(しま)鮮(あざ)やかに

重(おも)くただ

仰(あお)ぐ日差(ひざ)しに

つばを傾(かたむ)け



【解説】

西瓜をひとつ、持ち帰る。

冷蔵庫内のレイアウトを考えながら。


お読みいただきありがとうございました。

レゲエの律動、炎昼の眩しさ、西瓜の重み──どれも夏の手触りとして身近なものですが、

その奥にある“意識の揺れ”のようなものを追いかけてみました。


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