ヒリュウ家の秘伝書
「そうか・・大鷲はお前達が」
ウラが納得したようだ。
「空には、今度は石では無いぞ。爆弾と言うものがこの号令で投下される。我らの鉄筒はお前達の砦など破壊出来る威力もある。聞くか、聞かぬか?どちらだ!」
グエンは大音声を発した。それは、鬼気迫る表情でもあった。
「カブトを・・」
ウラはこの要求を呑むしか無かった。何故、この戦争形式に、旧式の一騎打ち等と言う古風な対戦を望むのか、むしろ、理解せよと言うのが難しい。しかも、同じカブトと名乗る武将同士をである。
ウラ軍のカブトが現れた。
「ほう・・なかなかの出で立ちであるが・・?おい、何とか言うたらどうだ?偽カブトよ」
「何・・偽と言う根拠を示せ。このカブトはお前達の所から追われて逃げて来たのだぞ?」
ウラが首を傾げる。
「わはは・・カブトとは我である。まさか、偽物が居るとはのう・。ウラ、我はお前を良く知っておる。それに、グエンを見て何か思わなんだか?」
「何・・?あ・・怒りに任せて良く顔を見なかったし、黒頭巾もしておらぬ。あの傷はどうした?まさか、お前は偽グエンなのか?」
「わあははは、あっはっはあーーー。これはおかしい」
グエンが大笑いした。
「嘗ての主従の関係とは言え、この顔を見忘れか?そう言えば聞こえて来たぞ、ウラ。クラムはどうした?何時もならお前の傍に居る筈だが?」
「お前達が砦を囲んでおるのだ。ここへ来られる筈も無し」
憮然とした表情でウラは言う。カブトは、
「おいおい、そんな話等どうでも良い。いざっつ!」
カブトは、大刀をウラ側カブトに大上段から振るった。ぶうううん・・それは周辺のバラキ族の兵士が震える程の勢いであった。それ程このカブトが豪将であると言う知識も無かったと見える。しかし、偽側のカブトはガシーーーーンとその大刀を受け止めると、ぶおおん・・今度はカブトの横っ腹に大刀を振ったのである。グエンも驚いた。




