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罪と英雄(SIN-HERO)  作者: 三川三山
第1部 博樹編
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第29話 地下決戦

HEROが地面を叩くと、地層が震え、粒子が集まって5人の黒ずくめの男たちが現れた。


それを5人の警察官がスタンガンでやっつける。


粒子がどいた跡には――黒い穴が口を開けた。


「人工的に掘られている……今の敵たちはこれを隠すためにここにいたのだな」 博樹は息を呑んだ。


階段のような段差が続き、奥は真っ暗だった。


HEROは胸のライトを点灯し、先頭に立った。


「僕が前を行く。黒ずくめの男たちが出てくる可能性がある」


二人はゆっくりと地下へと降りていった。


空気は冷たく、湿っていて、どこか生臭い。


「……生き物の匂いだ」 HEROがつぶやいた。


階段を降りきると、 巨大な空洞が広がっていた。


天井は高く、壁は黒い鉱石で覆われている。


そして――中央に、黒い“塊”が脈動していた。


「……これが、黒ずくめの男たちの核(こあ)……?」 博樹は震えた。


黒い塊は、心臓のように鼓動している。


ドクン……ドクン……


そのたびに、 黒い粒子が空中へ舞い上がり、人間形態へと変化していく。


黒ずくめの男たちが、次々と生まれていく。


「黒ずくめの男たちを増殖させるもの……これが“核(こあ)”だよ」 HEROが言った。


「止めるには……どうすればいい?」


「核(こあ)を火炎放射器で破壊するしかない。でも、近づくのは危険だ。黒ずくめの男たちが守っている」


その瞬間――黒ずくめの男たちが一斉にこちらを向いた。


無表情のまま、ゆっくりと歩き出す。


「来るよ、博樹!」


黒ずくめの男たちは液体化し、地面を高速で滑りながら迫ってきた。


「粒子の動きが速い……!地上よりも強くなっている!」


黒ずくめの男たちは、壁や天井に張り付き、液体化しながら包囲してくる。


田口警部たち警察官はスタンガンを構えた。


一つのスタンガンの充電で40体ほど倒すことができる。


先ほど、1体ずつやっつけたから、あと、残り39体ずつを倒すことができる。


「田口警部!火炎放射器をお願い! 僕が時間を稼ぐ!」


「わかった!」


田口警部と博樹は黒い塊――核(こあ)へ向かって走った。


黒ずくめの男たちが液体化し、足元へ襲いかかる。


「くっ……!」


HEROが間に入り、 足をナノマシーンでスクレーパーのように変形させて黒い液体を蹴り飛ばした。


液体は壁にぶつかり、粒子が散った。


だが―― すぐに再構築される。


警察官は、次々とスタンガンでやっつけるがきりがない。


「やっぱり核(こあ)を止めるしかない!」


田口警部と博樹が核(こあ)に近づくと、黒い塊の横に、古い金属箱が落ちているのが見えた。


「……これ、父さんの……?」


箱には、 “IDEA” のロゴが刻まれていた。


たしかイデア社の昔のロゴ。


父が社長だった頃の会社のロゴ。


「父さん……ここに来ていたんだ……」


田口警部が庇ってくれている間に博樹が見た箱の中には、ドローンの設計図と黒ずくめの男たちの粒子構造のメモが入っていた。


「父さんは……黒ずくめの男たちと戦っていたんだ……!」


博樹は涙がこぼれそうになった。


HEROが叫んだ。


「核(こあ)は “高熱”に弱い!早く火炎放射器を!」


博樹を背中に庇い、田口警部が核(こあ)に火炎放射器の業火をお見舞いする。


すると、核(こあ)はあきらかに苦しんでいるのがわかった。


黒ずくめの男たちが次から次へと、一斉に襲いかかる。


警察官たちはスタンガンの充電が少なくなってきて不安を口にした。


田口警部も「博樹くん。もう、火炎放射器の燃料がなくなりそうだ。」


このままでは、全員の命はが風前の灯だった。


そこに………吸血鬼ドローンが飛んできた。


なにをするんだろう。


粒体や液体になった黒ずくめの男たちを吸い取るのか?


HEROが叫ぶ「皆、すぐにこの地下空洞を脱出してください!この無数の吸血鬼ドローンはガソリンを体に抱えて来ています。


「わかった!」


全員が吸血ドローンの進む方向と逆方向に可能な限り速く走った。


そして、何千台の吸血鬼ドローンが来てくれたのかわからないが、激しい爆発が連続して起こった。


増殖しても増殖しても、波状的に自爆攻撃する自爆ドローンの物量が多く、核(こあ)はどんどん小さくなって、最後は消えた。


黒ずくめの男たちが一斉に叫び声を上げ、 粒子が崩れ落ちていく。


HEROは叫んだ。


「核(こあ)が消えた! 黒ずくめの男たちの粒子が……消滅した!」


そして、空洞は静寂に包まれた。


博樹は膝をつき、 深く息を吐いた。


「父さん…… あなたが戦ったものを…… とうとう、父さん自らの手で倒すことができましたね。」


HEROはそっと肩に手を置いた。


「博樹も……よく頑張ったね」


空洞の奥で、 黒い霧が完全に消えていった。


黒ずくめの男たちとの戦いは――終わった。


だが、父の行方はまだわからない。


そして、未知の物質の正体も、完全には解明されていない。


しかし………黒ずくめの男たちの言う地下資源とは、核(こあ)が自分や仲間を増殖させるための宇宙から来た粒体のことであった。

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