第26話 群馬県の地下資源
HEROは研究室のホワイトボードに地図を投影しながら説明した。
「群馬県は関東平野の北西端に位置していて、吾妻地域はそのさらに北西になる。浅間や草津白根を擁するこの一大火山地帯の深部には、特殊なマグマ活動の痕跡がある。そこに、日本独自のレアアース鉱床が眠っているのかもしれない」
「レアアース……?」 博樹は息を呑んだ。
「うん。電子機器、ロボット、AI、軍事技術…… あらゆる最先端技術に必要な金属だよ。もし大量に採掘できれば、国家のパワーバランスが変わるほどの価値がある」
HEROはさらに続けた。
「毛無峠の立ち入り禁止区域には、昔の硫黄鉱山の跡地がある。その周辺の地下に、レアアースの鉱床があるのかもしれない。」
博樹は、 群馬旅行で見た霧の谷を思い出した。
あの霧の奥に、 黒ずくめの男たちがいたのだ。
「……あいつら、レアアースを狙ってるのか」
「わからないがその可能性は高いと思う。そして、国民を意識操作して地下資源の”採掘要因”や世界征服のための“戦闘要員”にするつもりなんじゃないかな」
「そんな……奴隷みたいじゃないか」
「だから止めるんだよ、博樹」
HEROの瞳は強い光を宿していた。
「黒ずくめの男たちは、 毛無峠周辺の地下にある“何か”を狙っている。 それがレアアースなのか、未知の物質なのか、あるいは……もっと危険なものなのかはまだわからない」
「もっと危険なもの……?」
博樹は息を呑んだ。
HEROはまっすぐ博樹を見た。
「黒ずくめの男たちを止めるには、群馬県の地下資源の正体を突き止めるしかない」
博樹は拳を握りしめた。
「行こう、HERO。群馬へ。父さんの謎も、黒ずくめの男たちの目的も、全部そこに繋がっている気がするんだ」
HEROは力強く頷いた。
「うん。群馬決戦だよ、博樹」




