天災の到来と、最強パーティーの真価
クロノたちがパーティーを結成して数か月。彼らの名は瞬く間に轟き、順風満帆な冒険を続けていた。しかしある日、世界を揺るがす未曾有の事態が発生する。
突如として空がひび割れ、古代の超巨大複合魔法、あるいは星の怒りとも呼べる超広域破壊天災「終焉の暴風雨」が大陸を襲ったのだ。
並の結界魔法など紙切れのように引き裂く竜巻と、大地を穿つ雷撃。都市一つが丸ごと消え去ろうとしていた。
「おいおい、冗談だろ……? あんなもの、人の手でどうこうできる次元じゃねえぞ!」
百戦錬磨の剣聖ガイルすら、天を突く巨大な竜巻を前に圧倒される。
しかし、クロノの瞳は静かに、そしてかつてないほど激しく青い光を放っていた。
「――見えました。あれはただの自然現象じゃない。太古の術式が暴走した『意思なき魔法の塊』です。なら、僕たちで止められます」
クロノは一歩前に出ると、仲間のエキスパートたちへ次々と的確な指示を飛ばし始めた。
専門知識×完全看破:天災への反撃
「ルナ! 竜巻の右側、上空300メートルに魔力の『核』があります。そこに君の最大火力の術式を叩き込んでください。数式は僕が今から書き換えます!」
「了解! クロノの導きなら、神の領域の魔法だって制御してみせるわ!」
ルナが呪文を唱えると、クロノの「看破」によって最適化された超魔術が、竜巻の「急所」へピンポイントで炸裂した。轟音と共に、天災の勢いが一瞬だけ揺らぐ。
「ジードさん! 魔法が弾けた瞬間、四方に飛び散る高エネルギーの残滓を、君の隠密スキルで周囲の結界に『偽装』して受け流してください!」
「なるほど、天災の力を利用して街の防壁を補強するってわけか! 無茶を言うが……お前の目に見えてるルートなら、乗るしかねえな!」
ジードが影のように戦場を駆け、飛び散る破滅のエネルギーを街の防壁へと綺麗に誘導していく。
「そして――ガイルさん!」
「おう、待ちくたびれたぜ!」
「暴風の芯が剥き出しになりました。あの中心にある『目』を、君の全力の一撃で叩き切ってください。僕が今から、風の抵抗を完全にゼロにする『軌道』を、あなたの剣に直接トレースします!」
ガイルが大剣を構えると、クロノがその上から手を添える。クロノの「看破」が導き出した、1ミリのズレもない「天災を両断する正解の筋道」が、ガイルの脳内に流れ込んできた。
「おおおおおッ! これなら、世界だって斬れる気がするぜーッ!!」
ガイルが踏み込み、大剣を振り下ろす。
それは、暴風の全てのエネルギーを相殺し、打ち消す「絶対不可避の神速の一太刀」。
ズバァンッ!!!
一瞬の静寂の後、天を裂いていた巨大な竜巻が、まるでガラスが割れるように真っ二つに裂け、光の粒子となって霧散していった。雲の隙間から、温かな太陽の光が街に降り注ぐ。
新たな伝説へ
天災すらも個人の技術と連携でねじ伏せたクロノたち。
街の人々は歓声を上げ、ギルドの面々も開いた口が塞がらない。
「はは、本当にやっちまうとはな。おいクロノ、次は何を『看破』しに行くんだ?」
ガイルが笑いながらクロノの肩を叩く。
「そうですね……とりあえず、この天災で壊れたギルドの建物を、僕の『看破』を使って最高に頑丈に建て直すお手伝いでもしましょうか」
それぞれの分野の頂点に立つエキスパートたちを率い、世界の常識(天災)すらもひっくり返したクロノ。彼の万能なる旅路は、さらに加速していく。




