次なる盤面への第一歩
経済戦争をも完全な知略で制し、王国の市場に活気を取り戻したクロノ。隣国の仕掛けた罠をすべて逆手に取り、むしろ王国の国庫をかつてないほど潤わせる結果となった。
「ふぅ……これでひとまずは安心ですね」
王宮の執務室で、クロノは膨大なデータが記載された書類を片付け、ふっと息を吐いた。
「本当に大したもんだ。剣を持たせりゃ神を斬り、ペンを持たせりゃ国を救う。おいクロノ、次は何を企んでるんだ?」
ガイルが上機嫌に大剣を磨きながら尋ねる。
「そうね、経済の仕組みまで看破しちゃうなんて、次は『大商人』にでも就職するつもり?」
ルナがからかうように笑うと、ジードも天井の梁から顔を覗かせた。
「いやいや、これだけ国を救い続けたら、次はいよいよ世界統一でも目指すんじゃないかい?」
仲間たちの言葉に、クロノは苦笑しながら窓の外を眺めた。そこには、天災からも、貧困からも救われ、笑顔で溢れる王都の街並みが広がっている。
「世界統一なんて大それたことは考えていませんよ。ただ――」
クロノは手元のギルドカードを見つめた。そこには、彼が歩んできた数々の職業の履歴が刻まれている。
「僕たちの『正解を探す旅』は、まだ始まったばかりですから。世界の果てには、まだ僕たちの知らない職業や、見たこともない技術が眠っているはずです。それをみんなで見に行きませんか?」
クロノの提案に、3人のエキスパートたちは顔を見合わせ、最高の笑顔を浮かべた。
「応ともよ! どこまでだって付き合ってやるぜ、リーダー!」
最強の看破スキルを持ちながら、決して一つの枠に収まることのない万能の少年。彼と、彼を信じる仲間たちの次なる冒険の幕が、今静かに上がろうとしていた。




