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5-2  副都心キマリス


王都を抜けても街道は広いままだった。


重そうな荷馬車が街道の真ん中を行きかう中、端っこをのんびり進む。


看板が立っていた。  この先キマリス。


魔族の国の副都心。  王都に次ぐ経済の中心地。


でも我々には単なる通過点。


別段用事はない。


まあ別に用事がなくても、名物を食べるくらいならいいかな。


でも街並みは大賑おおにぎわいだった。


なになに?


新魔王誕生セール?  ぶふぉっ!!


ベリーランド感謝祭!?  耳が早いなっ!!


お嬢様のポスターがあちこちに?


あんなの撮影した覚えがないぞ?


あ、アホ虎 が一緒だ。


おのれ、エリザベス様!


好き勝手しているな!


いかん!  ここにいるのが見つかったら騒ぎになるかもしれない。


凱旋パレードをさせられるかもしれない。


馬車変形!  圧縮モード!


展望デッキが収納され、展開していた壁や窓のパーツがそれぞれもとの位置に。


この街は急いで通り抜けることにしよう。


そうしよう。



急いでいたら、目ざといお嬢様に気付かれた。


「なにを あわてておるのじゃ?」


「ニャー(はい、エリザベス様がお触れを出したようで、この街はお嬢様のポスターだらけなのです。 見つかると騒ぎになると思いまして)」


「ぽすたーじゃと?」


「ポスター?」


「なになに?」


せっかく閉めた窓を開けて、みんな外を見だした。


「あ、ホント、ベアトリス様のポスターがいっぱい♪」


「お祭りですか?」


「むう、われはもっとカワユイのじゃ! つくりなおしを ようきゅう するのじゃ!」


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