第35回「稲架掛け」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
稲刈りを終えた田んぼ――。
刈り取った稲は、まだそのままでは終わりではない。
「じゃあ、次はこれ!」
美穂は刈り取った稲の束を持ち上げる。
「これ、どうするんですか?」
街の人が尋ねる。
「乾かすんだよ!」
「乾かす?」
「うん。こうやってね」
美穂は、田んぼの脇に作っておいた稲架へ向かう。
束ねた稲を持ち上げ――。
稲架に、ひょいっと掛ける。
「これが稲架掛け!」
「ハサカケ……」
「刈ったばかりの稲は、まだ水分が多いからね。こうやってしっかり乾かすの」
美穂は次の束を持つ。
そして、また稲架に掛ける。
「こうやって、どんどん並べていくよ!」
街の人が稲束を持ち上げる。
「私もやります! こうですか?」
「そうそう!」
別の人も稲束を抱える。
「こっちにも掛けますね!」
「お願い!」
気づけば、稲刈りを手伝ってくれた街の人たちが、再び稲架掛けを手伝ってくれていた。
フロリィも稲束を抱えて歩いている。
「結構ありますね」
「うん。でも、みんながいるから早いよ!」
一本。
また一本。
稲架に黄金色の稲束が掛けられていく。
やがて――。
田んぼの脇には、稲架に掛けられた稲がずらりと並んだ。
「……綺麗ですね」
フロリィが呟く。
風が吹く。
乾燥を待つ稲束が、静かに揺れる。
美穂はその光景を眺めながら、満足そうに笑った。
「これで、しっかり乾かそう!」
収穫した稲は、次の工程へ進んでいく。
美穂たちの初めての稲作は、まだ終わらない。
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