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稲り実る〜異世界でも米作りはそれなりに大変〜  作者: さば味リン


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34/43

第34回「稲刈り」

※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。

初穂の儀式を終えると、しばらくして街の人たちがやって来た。


「おはようございます!」

「今日はよろしくお願いします」


何人もの人が、稲荷荘の前に集まっている。

美穂は嬉しそうに手を振った。

「みんな、おはよー!」


その後ろには、フロリィもいる。

「今日はみんなで稲刈りですね」


美穂は草刈りガマを手にする。

「そう! これで稲を刈っていくよ!」

「鎌で刈るんですか?」



美穂が稲の根元にガマを入れる。

「根元をこうやって――」

ザクッ。

黄金色の稲が、手元に倒れる。


「おお……!」

街の人たちから声が上がる。


「じゃあ、みんなもやってみよう!」

「はい!」


一人、また一人と田んぼへ入っていく。

ザクッ。

ザクッ。

ザクッ。

黄金色の稲が、少しずつ刈り取られていく。


「こうですか?」

フロリィが稲を刈る。


「そうそう! 上手!」

「冒険者ですから、このくらいは!」

「ふふっ、頼もしいね!」


街の人たちも、最初は慣れない手つきだった。

けれど、何本か刈るうちに少しずつ上達していく。


「思ったより大変ですね」

「でも、楽しいです!」

「こんな風に収穫するんですね」


美穂は、そんな声を聞きながら笑う。

「そうだよー!」


田んぼの中に、人の声が響く。

風に揺れていた黄金色の稲穂は、少しずつその姿を変えていった。


そして――。

「あと少し!」

美穂が声を上げる。


みんなで最後の稲を刈る。

ザクッ。

最後の一株が刈り取られた。


「……終わった」


美穂は、田んぼを見渡す――。

そこには、黄金色の稲穂ではなく、刈り取られた株が並んでいた。


「収穫できたね」

フロリィが隣で呟く。


「うん!」

美穂は笑顔になる。


「これで、やっとお米が食べられる!」


街の人たちからも、歓声が上がった。

田んぼの初めての稲刈りは――。

みんなの手で、無事に終わった。

読んでくれてありがとうございます!

毎日【18時20分】に投稿してます。

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