第28回「雑草ダマシイ!」
※本作は「小説家になろう」と「カクヨム」に重複投稿しています。
稲荷荘の前に広がる田んぼ――。
青々とした稲が、風に揺れている。
「うん。今日も元気そう!」
美穂が田んぼを眺めていると、フロリィが声を上げた。
「美穂さん、あれ……」
稲の間から、小さな草がいくつも顔を出している。
「ああ、雑草だね」
「こんなに生えるんですか?」
「うん。放っておくと、稲と一緒に大きくなっちゃうからね」
美穂は田んぼへ入り、雑草を根元から抜いていく。
「こうやって、根っこから抜くんだよ」
「はい!」
フロリィも真似をする。
プチッ。
「取れました!」
「上手!」
二人は並んで、次々と雑草を抜いていった。
プチッ。 プチッ。 プチッ。
しばらくして――。
「ふぅ……」
美穂が腰を伸ばす。
田んぼの雑草は、かなり少なくなっていた。
「綺麗になりましたね!」
「うん。これで稲も元気に育つね!」
二人は満足して、稲荷荘へ戻った。
そして――翌朝。
「おはようございま――」
フロリィの足が止まった。
「…………」
田んぼを見る、青々とした稲。
その間には――。
小さな草。
「……美穂さん」
「ん?」
美穂も田んぼを見る。
「ああ……生えてるね」
「昨日、あんなに頑張って取ったのに……」
フロリィが呆然とする。
美穂は拳を握った。
「どんなに過酷な状況でも、草は生える!」
そして、田んぼを指差す。
「それが――雑草ダマシイ!」
「雑草……ダマシイ……」
フロリィは、ぽかんとする。
「まぁ、雑草は強いってことね!」
美穂は笑いながら、田んぼへ入っていく。
「今日も草取り、頑張ろう!」
「はい!」
昨日取ったばかりの田んぼで、今日もまた草取りが始まった。
稲も、雑草も――。
少しずつ、大きくなっていく。
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