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偽りの国のヴェリタ   作者: 楽楽
序章  堕ちた世界
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第2話  かつての痕跡

恐る恐る建物に入り、周りを確認する。

中は薄暗く、差し込む月光を頼りにするしかない。

私はこの時誰かいないか言おうとしたけどなぜか声が出なかった。

何故かわからないけど、心が声を出すのを否定してた。


またしても不安が私を襲った。

でもここには人がいる、人がいるはず。

自分に言い聞かせ進む。

すると少し広い部屋に出た、だがやはり荒れ果てている。


『…道が左右に分かれてる…どっちに行けば…』


悩んだ末、私は左を選んだ。

けど進んですぐに違和感を覚えた。

この通路だけ異様に状態が激しい、床には置かれていたであろう家具が全て倒れ、どれも壊れている。


『どうしてここだけボロボロなの…?』


不思議にも思いながら、倒れた家具を避けつつ進んでいると不思議なものを発見する、それは壁に書かれたメッセージ?のようなものだった。

どの文字も歪み解読が不可能、極限状態で殴り書きしたような文字だった。


少し不気味に思いつつも進むと、一つの部屋についた。

だがこの時私は思わず足がすくんでしまった。

なぜならその部屋の壁一面には先程のような文字が書かれていたからだった。

それに見た感じ、文章が風化しすごい時間が経っていたように見えた。


だがとあることに気づいた、少しだけ読める文字があったからだ。

その内容とは______


《死にたくない》


だった。


『……なにこれ…?』


ゾッと思いつつも他の文字も見てみる、しかしさらに怖くなった事があった、それは文字の形状がよくみると全部同じだった。

つまり壁一面には《死にたくない》という文字が書かれていることだった。

私はここは危険かもしれないと思い、離れようとするが_____


《誰か…いないのか?》


一つの声が響いた。

私の声じゃない、男性の声。


『私以外の人……!さっきの焚き火の跡の…!』


私はそう思い、声の聞こえた方向へと進んだ。

今までの足取りよりも速いスピードで。


《誰か来てくれ……お願いだ…》


声がまた響いた。

やっと人に会える。

助かる、そう思った。



『大丈夫で……』


言葉を言い終える寸前、男性が言った一つの言葉に違和感を感じ、思わず言葉が止まった。

男性が言ったその内容は…


《死にたくない……》


その一言だった。

だがその一言だけならまだよかった。

だがその声はどこか"壊れたような"声だった。

それに、先程の壁書きの内容と一致していること。


『……え?』


その異様な声に思わず戸惑ってしまった。

私は先程の文字を書いた人か?と思ってしまったが…

一つ違和感があった、あの文字は見た感じ長い年月が経っているように思えた。

書いた本人が生きている……そんなことがあり得るのか…?


だけどこの答えは後に知ることになる。

そしてこの時、今までの胸騒ぎの正体を悟った。


《死にたくない……死にたくナい…死ニたくナイ…》


男性の声が違う何かへと変わっていく。

私は血の気が引いていくのがわかった。

ここにいるのはまずい、離れたようとしたが足が動かない。


《死…ニ……ナ…イ………》


《死………ナ…》


《……………》


足音が近づいてくる。


《……………次は"オマ"エだ》


私はこの部屋に入ったことを後悔した。

だけど…

もう遅い________


暗闇からゆっくりと"それ"が姿を現した。










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