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偽りの国のヴェリタ   作者: 楽楽
序章  堕ちた世界
12/20

第12話  禁忌の存在

ロウワーさんの診察所は午前10:00から開かれる。

現在時刻は8:00過ぎで色々な準備はあるので間に合うかはわからない。

私達は裏の建物へ移動するとそこは完全にロウワーさんの生活スペースだった。

キッチン、お風呂場、その他いろいろが揃っていた。


ロウワーさんは準備が忙しい中、私に朝ごはんまで作ってくれた。

私とリベルはリビングに移動し、リベルは朝ごはんを運んできてくれた。


『朝飯だとよ、、なんか悪いな、アイツの飯がお前にとってこの世界の初めての食事で。』


『謝らないでよ…作ってくれたんだから、私はそれが1番嬉しい。』


私はなぜリベルが謝ったのかはわからなかった。

だってこんなに親切にしてくれた人はリベルとロウワーさんが初めてだから。

でもなんでリベルが謝ったのかは次の瞬間に分かった。


出されたご飯は、薬草が入ったパン(パンが小さいため薬草がすごい盛られている)、薬草のサラダ、薬草のスープ、薬草焼き(!?)、薬草そのまま……というなんともクセのあるメニューだった……


『……薬草ってたくさん食べても大丈夫なの?』


『わからん…アイツはマジで薬草を好んで食ってるからわからん…』


『多分アイツ現実世界ではなんかの薬やってたんだろ…』


私はなんとか薬草メニューを食べ切った。

味の感想としては……自然の味がした。

お腹下したりしないよね……?


そう思っていた次の瞬間、診察所の方から村人の声がした。


『…なんだ?外がやけに騒がしいな。』


しばらくすると村人の声は無くなる。

一体なんだったのだろうか?

朝まで酔っ払いが診察所の前で騒いでたのだろうか?


(……気のせいかな…?なんか胸がざわつく…)


『朝飯も食べた…ロウワーのところでも行ってみるか。』


私とリベルはロウワーさんのところへ向かう。

私は薬草…の朝ごはんでも作ってくれたのは嬉しいので何か手伝いたかった。

だが、先程ロウワーさんが寝てた部屋に向かうもロウワーさんはいない。


『なんでいねぇんだ…?お手洗いか?』


そうリベルが言っていると、別の部屋からロウワーさんの声がした。

ただ焦っているような……そんな声だった。

リベルも声に気付いたようだった。


(なんで……?どうしてこんなにも…手が震えているの…?)


私は震えている手を反対の手で抑える。


『隣の部屋……診察室か?……ってなに手首握ってんだ?虫でも潰したのか?』


『……違う、ごめんなんでもない………』


リベルと私は受付へ行き、そこから診察室へ入ろうとした。

リベルは診察室のドアノブに手をかける。

でもそれを……私の心は否定していた。

開けてはいけないと。

だがその声は実際出すことはできなかった。

ドアが開かれると、ロウワーさんがいた。

その隣のベッドには……見知らぬ男性が横たわっていた。


『ロウワー……ってなんだコイツ?まだ診察所は開けてないだろ?』


『………っ"』


なんで私は気が付かなかった……?

近くに……こんなに強大なオーラを放つ人がいたのに。

遺跡で会った時の…リベルよりも黒くて…濁っているような……

そんなリベルより黒く濁った…まるで黒い鉛筆で塗りつぶされたような気配は、ベッドで寝ている男性から放たれている…


《ガタガタガタガタガタガタ…》


また手が震え始める。

必死に手を抑えようとするが止まらない、力が入らない。

私の心がこう言っている……触れるべきではない。

関わってはいけない。

"危険"だ……と。


『今朝他の人たちがこの男性を運んできて………って…

ベル…大丈夫か?顔色がすごく悪いよ……?』


『……そ、その人…"、誰……?』


私は声が震えていた。


『…わからないが……意識がない、今治療の準備をしてるけど…』


私の恐怖を感じ取ったのか、リベルは私の肩に手を置き……


『ロウワー、ベルを別の部屋へ連れて行く。』


ロウワーさんも私の何かを感じ取っていたらしく、

静かにうなずく。


リベルが私を連れて部屋から出ようとした瞬間。


《………か………え……せ…"》


静まり返った部屋に、声が一つ響く。

その声は…唸るような…そんな声だった。


『………ロウワー、お前なんか今言ったか?』


リベルの声も先程とは違う…

リベルも何かを察しているような声だった。


『…私はなにも…"』


リベルでも…ロウワーさんでもない…私も言ってない……じゃあ今の声は…

私はベッドの男性を見つめる。


《パリンッ!!》


天井にある照明のランプが割れて破片が床に散らばる。

私とリベル、ロウワーさんの3人は顔が青ざめる。

全員に緊張が走る。

やっぱり……


《………ま"………だ……"し……ね………な…い……》


その声は……気のせいかもしれないが男性の方から聞こえていた。

この黒いナニカは危険だ。

その危険は2人にも伝わった。

私たちは……とてつもない危険な存在と巡り合ってしまったのかもしれない。








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