第10話 この世界での居場所
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私たちは村へと足を踏み入れ、無事村人に紋章がバレることなくリベルの仲間がいる診察所へたどり着くことに成功した。
ただ…一つ困ったのは診察所のロウワーという人が少し心配だったところ…
『だーかーら、俺とベルは付き合ってねぇ』
『え?あ、そうなの?つまんねーなぁ…』
(………やっと誤解が解けた…)
『…ほらよ、言われた通り薬草取ってきたぞ。』
そう言うとリベルはロウワーと呼ばれる女性に袋を渡した。
『ご苦労様ー、今月薬草の消費量が凄くてねー…』
『そりゃあお前が"薬草から香り抽出してお香作って売れば儲かるんじゃね?"って言って薬草を無駄にしたからだろ』
『はは……ごめんって…』
ほんとに大丈夫なのかこの人。
リベルよりもロウワーっていう人が心配になってきた。
(そういえばお香…って、この香りはお香の香りなのかな?…それにしても強い匂い…)
『……あ、そういえば女の子、君の名前を聞いてなかったね。私はデシリア村の診察所を開いてる"ロウワー"だ。よろしく』
『あ…その、ベル…です。あ、でもベルっていうのは……』
『……俺がつけたんだよ。コイツとは遺跡で会ったが、今日この世界に堕ちてきて、記憶がなかった。
名前も覚えてねえって言うから俺がつけてやったんだよ。』
リベルは私の言おうとしてることを全部言ってくれた。
『なるほど……この世界に堕ちてきたばかりなんだねぇ…リベルが"どっち"かは知ってる?』
どっち…?
なに対して言っているんだろう?
『…紋章のことだろ、コイツは俺が罪人だと知ってる。………コイツの紋章も見てみろ』
リベルは私が巻いていたマフラーをゆっくりと外した。私はロウワーに首の紋章を見せる。
『……ん?なんだこれ…初めてみる紋章だな…?君、現実世界で最後何をしたかわかるかい?覚えてるならそれが悔人か罪人かわかる手掛かりになるかも…』
『あ…その記憶は……』
『あぁそうだった、記憶がないんだったね……でも、二つの紋章が混ざったような紋章だね……でも…私たち悔人、罪人とは例外の存在だから……"対象"になる可能性がある。私たちで引き取った方がこの子の為にはなるんじゃないか?』
対象…?私がなんの……?
それに…引き取る…って……
だがその言葉に衝撃を受けたのは私だけじゃなかった。
『はぁ!?コイツ俺らで引きとんのかよ!!?』
まぁそうなるだろう……急に引き取るってなってOKする人は中々いない。
『…でも、リベル、君もそう考えてたんじゃないか?
無意識のうちに…この子を助ける、いざとなれば引き取る…ってさ』
(え…?)
私は少し驚く、リベルがそう考えていたとは思わなかった。
確かにお互いの目的を果たす…とは約束したけれど、まさか引き取られるとは思わなかった。
『え、でも……私…』
私が戸惑った瞬間、ロウワーが口を挟んだ。
『ベル、君は気にしなくてもいいのさ。だってリベルはわざわざ診察所まで君を連れてきた…
この村には孤児院もあってね、本当に気にしてないなら…そこに君を連れていくこともできたはず。』
『わかった…俺らでベルを引き取る。それでいいんだろ、それで!!』
『え…あ……私…ここにいていいの?』
『もちろんさ、君みたいな困ってる子…放っておけないだろう?』
『……改めて、よろしく頼むよベル。』
『…は、はい!よろしくお願いします…!』
こうして私は…この偽りの国で仲間と居場所を手に入れた。
最初は恐怖や不安ばかりだけれど、リベルと出会い、ロウワーさんとも出会うことができた。
この世界は危険だけど…その中には彼らのような親切な人たちもいるんだっていうことを…
私は知った。
『なぁリベルー、この世界で仲間になったらさ、まず聞きたいことあるよねーー?』
ん?聞きたいこと……?
『それって…趣味か……好きな食べ物…とか?ごめんなさい記憶が…』
『ん?あーそんなんじゃないよー、私が君に聞きたいのは……この世界で生きる為の術でもある…』
『"異能"についてさ。』




