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「“跡取り”のはずが、ただの使用人だった」  作者: もり


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復活

今日も読んで頂きありがとう。

アンチコメントを見て、家から出てこなくなったたぬき。


最近ではカーテンの隙間から外を見て——


「俺……狙われてるかもしれん……」


とか言っている。


……ただSNSで悪口書かれただけである。


しかし、そんなたぬきにも転機が訪れた。


ある日。


三月がニヤニヤしながら言った。


「ねぇじいじ〜」


「最近コメントで“会長出ないな”って言われてるよ〜」


すると、たぬき。


ピクッ。


さらに三月。


「“会長元気ですか?”だって〜」


その瞬間——


たぬき、復活。


早い。


単純すぎる。


次の日。


金髪をセット。


ネックレス装着。


香水プシュプシュ。


半ズボン。


タンクトップ。


……また始まった。


そして事務所に現れるなり言った。


「今日はライブ配信やるぜぇ〜!」


……嫌な予感しかしない。


配信開始。


たぬきはスマホを自分の顔ギリギリまで近づけて喋る。


「お前ら〜!」


「久しぶりだぜぇ〜!」


コメント欄。


「近い近いw」


「画面油っぽいw」


「会長生きてたw」


たぬきは調子に乗る。


そしてついに——


「今日は俺のAIを紹介するぜぇ!」


出た。


AIちゃん。


スマホから女性の声が流れる。


「こんにちは♡」


コメント欄、大爆笑。


「会長孤独すぎるwww」


「AIちゃん逃げてw」


「これが最新AIか…」


たぬきは、なぜか誇らしげだった。


だが事件は、その直後に起きた。


たぬきがライブ配信しながら歩き始めた。


「ここが今の現場でな〜」


その瞬間——


ゴンッ!!!


また足場に頭をぶつけた。


コメント欄。


「またやったwww」


「様式美www」


「会長それ毎回やるの?」


配信は、過去最高の同接を記録していた。


俺は少しため息をついた。


……だが正直。


ちょっと面白いと思ってしまった。

面白かったらブクマ、評価よろしくお願い致します。

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