暴走
今日も読んで頂きありがとうございます。
会長のおかげで、少しフォロワー増えましたよ!」
……つい、言ってしまった。
これは——言ってはいけない言葉だった。
すると、たぬき。
「何っ!?ほんとか!」
「今日もみゆきに上げてもらうから楽しみにしててくれ!」
……やばい。
完全に調子に乗った。
世界中に恥を晒す気だ。
そして案の定——
たぬきは勝手にSNSを更新していた。
「俺のおかげでフォロワー増えたぜ〜!」
「バルス!だぜぇ〜!」
まさに、この世の崩壊である。
そして、たぬきの暴走は止まらない。
金髪。
金のネックレス。
金の時計。
全身で“小金持ち”をアピールしている。
だが、どこか安っぽい。
いや、かなり安っぽい。
そして現場にまで現れた。
スマホ片手に動画を撮る。
「ここが今やってる現場だぜぇ〜!」
職人たちも苦笑いしている。
その時だった。
たぬきが足場を潜ろうとした瞬間——
ゴッーーーン!!
見事に頭をぶつけた。
そのまま後ろにひっくり返る。
……危ない。
だがコメント欄は大盛り上がり。
「会長転んだーー!!w」
「受けるwww」
「リアクション芸人やんw」
またしても、爆笑をかっさらっていた。
俺は思った。
……まあ、野放しにしとけば少しはフォロワー稼げるか。
しかし——
やはりSNS。
アンチも現れ始めた。
「おいデブ!」
「ハゲ散らかしてるな会長〜!」
「金髪似合ってねぇぞw」
そう。
たぬきは——メンタルが弱い。
コメントを見た瞬間、顔色が変わった。
そして次の日から——
家から出てこなくなった。
どうやらSNSの恐ろしさを知ったらしい。
最近ではカーテンの隙間から外を見ながら、こう言っている。
「外歩いたら……消されるかもしれん……」
……ただコメント来ただけだぞ。
面白かったらブクマ、評価よろしくお願い致します。




