決算
今日も読んで頂きありがとうございます。
とっ捕まった俺は、観念した。
とりあえず——静かに働くことにした。
この際、たぬきも文句言えないくらい働いてやる。
そう思って、心を入れ替えた。
そして俺は、一生懸命働いた。
朝から晩まで。
現場も出て、仕事も取って、家事もやる。
……我ながらよくやってる。
そんな中、毎年恒例の決算の時期がやってきた。
今年は前半が暇で、後半一気に追い上げた年だった。
体感的には——「これ、黒字だろ」そんな感じだった。
そして税理士から、決算報告書が届いた。
普通なら、株主はワクワクするやつだ。
だが俺は——「まあ、俺株ないしな」くらいの気持ちである。
そもそもだ。婿養子にして社長にしておいて、株を持たせない。
……どういうシステムだ。
株くれれば頑張るのに。
夜勤も最初は「1日5000円やる」とか言ってたくせに、結局一回ももらってない。
やる気削ることに関しては、天下一である。
こんな状況で、本気で働こうと思うやついるのか?
……いや、今年はちょっと頑張った。
だから、少しだけ期待していた。
そして——決算報告書を開いた。
事業内容——良い。
売上——良い。
営業利益——上がってる。
……いける。
と思った次の瞬間。
経費。
意味不明なマイナス。
毎月100万。
……は?
何これ。
調べる。
みゆき。
借入。
……ああ。
俺につけてた探偵の費用か。
毎月100万で監視されてたのか、俺。
コスパ悪すぎだろ。
さらに追い打ち。
たぬき。
俺名義で借入して、株。
証券会社のおねーちゃん呼びたいだけのやつ。
完全に、キャバクラ感覚。
ただ——現実は厳しい。
たぬきでは、おねーちゃんもキャバ嬢止まり。
それ以上のサービスを受けるには——株が足りないらしい。
……いや、単純に嫌がられてるだけだろ。
こうして——今年の決算は、赤字で幕を閉じた。
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