連行
今日も読んで頂きありがとうございます。
北海道まで来たのに——
俺は、捕まった。
そしてそこに——
みゆきまで来ていた。
……執念が違う。
だが今回の目的は、俺じゃない。
瑞江だった。
慰謝料。
こいつは俺を連れ戻すついでに、瑞江からも金を取るつもりだった。
だが——
読みは外れた。
俺は確かに転がり込んだ。
だが、何もしていない。
というより——
瑞江が拒否していた。
「既婚者とか、無理だから」
……正論である。
そして瑞江は強かった。
「慰謝料取りたいなら、証拠見せなさいよ」
一歩も引かない。
探偵の資料が出される。
写真。行動記録。
だが——
決定打がない。
……そりゃそうだ。
何もしてないんだから。
みゆきは、舌打ちした。
「チッ」
その音で、終わったとわかった。
次の瞬間——
俺の首根っこが掴まれた。
「帰るよ」
……はい。
そのまま俺は、連行された。
帰った先に待っていたのは——
地獄だった。
たぬきはニヤニヤしている。
ブラザーとシスターも、呆れた顔で俺を見ている。
……何なんだこの家族。
そして俺は気づいた。
俺、完全に孤立してるな。
……いや。
元々、味方なんていなかった。
最後にみゆきが言った。
「当分、お小遣いなしね」
……もともと三万だぞ?
減らす余地あったのか。
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