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「“跡取り”のはずが、ただの使用人だった」  作者: 株で得た利益を競馬でとかす人


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三万円からの脱却

一日空いてすいません。

俺の月に使える金は、三万円。


この限られた予算を、

どう増やすか。


それが最近のテーマだった。


昔なら、答えは簡単だ。


パチンコ。


若い頃は、財布が閉まらなくなるほど勝ったこともある。


生活を賭けて打っていた時代すらある。


だが——


今のパチンコは違う。


夢も希望も、出玉もない。


もう手は出せない。


そこで俺は考えた。


メルカリだ。


事務所にある、いらない物を売ろう。


資材。工具。余り物。


完璧な計画だった。


だが現実は甘くない。


全然、売れない。


しかも——


みゆきが、俺のメルカリをお気に入り登録していた。


……怖い。


そう、俺には前科がある。


だからスマホのロック番号も、みゆきは知っている。


いつ見ているのか。


たぶん風呂の時だろう。


そして売れると、必ず言う。


「ねぇ、今日メルカリで○○売れたよね?」


……監視社会である。


さらに追い打ち。


会社で買った物を売った場合、


取り分は8対2。


もちろん、俺が2。


メルカリ——終了。


次に考えたのは、競馬。


こっそりやっていた。


だが、回収率40%以下。


即、引退。


残るは、株。


前からやっている。


もうこれしかない。


だが、株主優待が届く。


「これ何?」


……秒でバレる。


しかも封筒の中身まで見られる。


「ふーん」


その一言が、重い。


さらに問題がある。


俺は、利確できない。


なぜなら——


利益確定した瞬間、


みゆきに持っていかれるからだ。


結局、いろいろ考えた結果。


一番現実的な副業は——


みゆきを連れて飯に行き、


経費で落とすことだった。


……終わってる。

今日もありがとうございました。

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