株主優待という名の罠
今日もよろしくお願い致します。
だが、株は続けることにした。
利益は取れなくても、
優待なら残る。
QUOカード。
ギフトカード。
そして各種割引券。
これを集めれば、
三万円生活にも光が差すはずだった。
……そう思っていた。
だが、俺は気づく。
やっぱり、俺は甘かった。
株主優待の封筒は、
まずみゆきが開ける。
そして不思議なことに——
「株主優待在中」
そう書かれた封筒の中に、
QUOカードもギフトカードも入っていない。
毎回だ。
企業が入れ忘れたのかと疑うレベルで、
綺麗になくなっている。
……もちろん、犯人はいる。
みゆきだ。
そして言う。
「今回96%だったよ〜」
……換金率である。
金券ショップで売った報告だ。
この瞬間だけは、
本気で殺意が湧く。
だが、まだ希望はあった。
割引券だ。
これは封筒に残っている。
みゆきは興味ないのだと思っていた。
……俺は、まだ何もわかっていなかった。
スポーツ用品20%オフ券。
「光がグローブ欲しいって〜」
「割引券あるし、パパ買ってあげなよ」
……まず、俺は本当にパパなのか。
そう思いながら、
グローブを買ってきた。
ブラザーのために。
次。
バッグ20%オフ券。
「三月がカバン欲しいって〜」
「せっかくだし買ってあげなよ」
……ミッキーに頼め。
心の中でそう叫びながら、
俺はカバンを買っていた。
次。
洋服20%オフ券。
「皐月が服欲しいんだって〜」
「ちょうど割引券あるし、買ってきて」
……USJで買で服でも買ってもらえよ。
そう思いながら、
服を買って帰る俺。
今や俺は、
ブラザーとシスターのスポンサーだった。
さらに追い打ち。
株主優待の割引券で、
脱毛器具まで買わされた。
「パパ、まず試しにやってみて〜」
……気づけば、
俺の首から下は実験台だった。
今ではツルツルである。
もうじき——
首から上も、自然にツルツルになるだろう。
今日ブラザーとゴルフの打ちっぱなし行って前で打っていたブラザーの球がなぜか俺の顔面直撃しました。
今日からブラザーはゴルフ練習場出禁になりました。




