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「“跡取り”のはずが、ただの使用人だった」  作者: 株で得た利益を競馬でとかす人


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ノルマのために

初投稿です。読んでみてください。

連絡先を交換し、

俺は自分が働いているディーラーのことを伝えた。


「今度、車見に来てよ」


そんな軽い約束だけ残して、その日は別れた。


——それだけのはずだった。


だが、俺の生活は相変わらずだった。


車を売るため、朝はパチンコ屋に並び、

夜もまた、パチンコ屋に並ぶ。


とにかく、金が必要だった。


営業は数字がすべて。


車を売るためなら、値引きもする。


時には、グレーなやり方だって使う。


——それが、この仕事だった。


彼女もできて、

俺は金を作るために、必死に動いた。


車を売るためなら、手段は選ばない。


——そうして気づけば、

俺は優秀な営業マンと呼ばれるようになっていた。

そんなときだった、

あの悪魔が、何事もなかったかのように、店に現れた。


新しい車が欲しくてさ。ちょっと見に来たの」


あいつはまるでこないだの続きみたいに話しかけてきた。


「今度、試乗したいんだけど」


少し間を置いて、

あいつは当然のように続ける。


「車、うちまで持ってきてよ」


——断れるはずがなかった。


指定された日に、俺は試乗車を用意して、

あいつの家へ向かった。


想像していたよりも、ずっと立派な家だった。


その時点で、違和感はあったはずなのに——


俺は、何も考えていなかった。


「じゃあ、乗ってみる?」


そう言って、助手席に乗り込んできたあいつは、

変わらない笑顔を浮かべていた。


……いや、違う。


あの頃よりも、少しだけ——距離が近い。


走り出してからも、

会話は途切れなかった。


仕事の話。

昔の話。


そして——


あいつは、何度も体を寄せてくる。


……わかっていた。


これは“試乗”なんかじゃない。


それでも、俺は止まらなかった。


——気づけば、俺はまた踏み込んでいた。


あの夜と同じように、また彼女に試乗してしまった。


これで、一台決まったな。


そんなことを考えている時点で、


俺はもう——


引き返せないところまで来ていた。

今後もよろしくお願い致します。

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