再開
初投稿です。皆様に読んでもらえるよう頑張ります。
大学を卒業して、俺は地元の車のディーラーに就職した。
営業として働き始めて、毎日がそれなりに忙しく、
気づけば——あの女のことを思い出すことも、ほとんどなくなっていた。
あの夜を境に、何も言わずに姿を消した女。
連絡もつかない。
バイト先にも来なくなった。
まるで——最初から存在しなかったみたいに。
……あれから、数年が経っていた。
その日も、仕事帰りにふらっとコンビニに立ち寄った。
なんとなく甘いものが食べたくなって、
レジ横のたい焼きを手に取る。
「これ、ひとつください」
店員は無言で頷き、ケースの中から一つ取り出した。
……はずだった。
袋を受け取ったとき、ふと違和感を覚える。
温かいはずのたい焼きが、妙にぬるい。
いや、それだけじゃない。
袋の中のそれは——
どう見ても、ディスプレイに置かれていたやつだった。
さすがにこれはないだろ、と思い、
俺はそのままコンビニへ引き返した。
「すみません、これ——」
レジに差し出した、そのときだった。
背後で、ドアの開く音がする。
いらっしゃいませ、という店員の声。
何気なく振り返った、その瞬間——
心臓が、止まりかけた。
そこに立っていたのは、
忘れるはずもない顔。
何年も会っていなかったはずの女が、
まるで何事もなかったかのように、そこにいた。
まるで——最初から、ここに来ることが決まっていたみたいに。
……そして俺は、
こんな場所で、再び出会ってしまった。
あの、悪魔に。
そのまま、何事もなかったかのように会話が弾んだ。
数年ぶりとは思えないほど、自然に。
——まるで、あの夜の続きみたいに。
気づけば、俺はあいつの後ろを歩いていた。
どこへ向かっているのかも、わからないまま。
……それでも、足は止まらなかった。
そしてそのまま、
闇の中へと消えていった。
次回お楽しみに




