母親の死
今日も読んで頂きありがとうございます。
ショックな出来事は、続いた。
子供たちが兄弟姉妹になる話だけでも、
十分きつかった。
だが、その直後——
もっと重い出来事が起きた。
俺の母親が、肺がんで亡くなった。
倒れて救急車で運ばれ、
検査したときには、すでに遅かった。
左肺の九割が、がんに侵されていた。
そして——
運ばれてから、わずか二週間。
母は、亡くなった。
あまりにも急だった。
現実を受け止める暇もなかった。
そんな中、意外だったことがある。
母と仲が良かったのは——
みゆきだった。
毎週一回は俺の実家へ行き、
買い物をしたり、世話をしてくれていた。
その姿を見て、俺は少しだけ思っていた。
こいつにも、優しさはあるんだなと。
母が亡くなり、
一週間。
葬式も終わり、少し落ち着いた頃だった。
みゆきが口を開いた。
「お母さんに優しくしてたのってさ」
「私が面倒見てたんだから、遺産ちょうだいって意味だからね」
……は?
一瞬、言葉を失った。
やっぱり、こいつは普通じゃない。
たぬきの子。
いや——
悪魔だ。
結局、金なんだ。
人の情も、優しさも、
全部その先に金がある。
そういう人間だけが、
小金持ちになるのかもしれない。
そういえば以前、
たぬきが言っていた。
自分の親父が亡くなったとき、
兄弟姉妹みんなで遺書を書かせた、と。
……血筋なんだろう。
俺は、この頃にはもう——
完全に精神的に疲れていた。
財産目当てで婿養子になったつもりが、
持っていかれたのは俺の方だった。
時間も。
金も。
心も。
そして思った。
もし、生まれ変われるなら——
次は、本物の大金持ちのお嬢さんを探そう。
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