みゆき
今日もよろしくお願い致します。
そんな小心者たぬきの娘——
みゆき。
こいつは、よく寝る。
いや——
寝すぎだ。
体感で、一日二十時間は寝ている。
朝、起きる。
子供のご飯を作る。
そして、寝る。
昼、起きる。
事務所に顔を出して、パソコンを少し触る。
そして、帰って寝る。
夕方、起きる。
買い物に行く。
飯を用意する。
そして——また寝る。
……何してるんだ、こいつ。
人生、無駄にしてるんじゃないかとさえ思う。
だが——
ひとつだけ、異常な才能がある。
料理だ。
みゆきの出す料理は、めちゃくちゃうまい。
イタリアンを出せば、ミシュラン級。
焼肉も、驚くほど柔らかくてうまい。
……まあ、理由は簡単だ。
こいつは、小金持ちに生まれただけあって、
うまい店を山ほど知っている。
そして——
その店から、テイクアウトしているだけだ。
……そりゃうまいわ。
つまり、みゆきの料理は——
プロの味だった。
一方で、家の中はどうか。
風呂はカビだらけ。
部屋はホコリまみれ。
トイレには神様どころか、紙もない。
……終わってる。
そして、そのすべてをやるのは——
俺だ。
掃除、洗濯、片付け。
全部。
婿養子とは、そういう生き物らしい。
もう、人として扱われていない。
ただの——
お掃除ロボットだ。
一応、ルンバは買った。
だが、部屋が散らかりすぎていて、
半径五十センチで止まる。
……役に立たないのは、どっちだろうな。
あと——前にも思ったが。
ミッキーだろうと、なんだろうと、
こいつは子供を作れるらしい。
……そう思うしかない。
そして今度は——
USJだ。
「またできた」
みゆきは、何でもない顔でそう言った。
……は?
そして——
次女が、生まれた。
……もう、どこのテーマパークでもいけるんじゃないか
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