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結婚式という名の…
読んで頂きありがとうございます。
結婚式——
それは、祝福の場のはずだった。
だが、俺にとっては違った。
婿養子に訪れる、最初の“嫌がらせ”。
それが——結婚式だった。
式場は、大きな会場だった。
いや、“大きい”なんて言葉じゃ足りない。
明らかに、規模が違う。
俺の招待客は、三十人。
みゆきの招待客は——
千人。
……笑えない。
見渡しても、俺の知り合いなんてほとんどいない。
気づけば、完全に“アウェー”だった。
そして、追い打ちをかけるように——
「費用は折半でいこうか」
たぬきは、当然のように言った。
……は?
この規模で、折半?
桁が違う。
俺がこれまで必死に貯めてきた三百万。
それが、一瞬で消える。
いや——
足りない。
どう考えても、足りない。
……終わった。
そして、俺は理解する。
ここで、たぬきに頭を下げるしかないことを。
助けを求めた瞬間、
すべてを握られる。
わかっていた。
それでも——
「……お願いします」
その一言で、すべてが決まった。
もう、戻れない。
格差婚はきつい…




