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「母さんも、こんなろくでなしに育つと思ってなかったよ」
真顔に戻った母は、こっちを見て言った。
「あれから20年も経つのに。まだそんなこと引きずって」
僕の中の感情が、しだいに怒りへまとまって行った。
「黙ってくれ」
今度ははっきりした声だった。
「そんなに言うなら、なんで行ったんだよぉ!!」
近くに落ちていた角材を持って、母の方へ飛びかかった。
気がつくと、首にかかった縄は外れていた。
僕を助けに父が立ち上がった時、すでに僕は溺れていた。
父の足がつかないくらい深いところに僕は沈んだ。
そこから先はよく覚えていない。
僕が目を開けたのは病院の中だった。
僕の家族は、姉だけになった。




