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案件100.黒火手団VS堕悪トリオ

記念すべき100話!ですが内容はシリアス!!

 拘束されたカシューを迎えに来たバークが偽物だと知ると、黒火手団(くろびてだん)はカシューを庇いながら偽バークを包囲した。


「ダレだテメェは!正体を見せやがれ!!」


 その時、プレハブ小屋の窓ガラスが割れ複数の何かが飛び込んできた。その正体は孔雀の羽根に似た刃物で、5人を囲むように壁や床に刺さった。


「何だぁ!?」

「これはパボドレスの―」

綺雀転陣(きじゃくてんじん)


 すると5人の足元に孔雀が羽根を広げたような形の魔法陣が現れ、その場から一瞬で消え去ってしまった。




「一体何が!?」


 気がつくとそこは小屋の中ではなく、薄暗くて広い建物の中のようだ。天井にある小さな照明で周囲をある程度見渡せるが、窓が見当たらないため外の様子がわからず、ここがどこなのか検討もつかなかった。


「パボドレスの仕業だ!おそらく俺達は、別の場所へワープさせられたんだ!」

「ご名答、お気に召していただけたかしら?」


 暗闇の向こうから、さっきと同じ刃物をチラつかせるパボドレスと不滅氷(エルフォザード)、そして激しい恨みで険しい顔のアダウチオニが現れた。


「ここはまだ異救者(イレギュリスト)に知られてない、悪堕者(シニステッド)のアジト。茉由瑠院(まゆるいん)財団の権限で、(わたくし)たちだけの貸し切りにしましたの」


「この前受けた屈辱を晴らし、身も心もバッキバキにへし折って差し上げるために」

「ヒッ!!」


 パボドレスが放つプレッシャーでカシューが恐怖し、黒火手団(くろびてだん)が身構えていると、いつの間にか偽バークが移動しパボドレスに付き従うように佇んでいた。


「やっぱりテメェらの仲間か!」

「この子は奉公女(ほうこうじょ)アメセラ。又の名を、醜雀闇異しゅうじゃくネガモーフ:アグリーバード。(わたくし)の可愛くて優秀な従者ですの」


 偽バークの体色が変わり身体の形状が変化すると、小鳥の頭蓋骨のような顔で全身にそばかすがある闇異(ネガモーフ)に戻った。


「勿体ないお言葉です、お嬢様・・・」

「こいつも隠骸(ナバトム)・・・!」


 その時アダウチオニが斧を床に叩きつけて大爆発を引き起こし、カシューと黒火手団(くろびてだん)を巻き込んだ。


「あらあら、気の早い復讐者ですこと」

「ここまで付き合ってやったんだよ」

「同感、僕もそろそろこの前の続きがしたいんだよね」


 爆発で生じた煙が晴れると、変異した黒火手団(くろびてだん)がカシューを庇っていた。


「チッ」

「二人とも!カシューさんを守りながら、ここから脱出するんだ!!」


「逃がしませんわ」

「冷ましてやるよ」


 不滅氷(エルフォザード)とパボドレスが攻撃を仕掛けるも、カネリファイヤと黒皇(ブラックレクス)に阻止されてしまった。


「ボンゴラ先に行け!」

「後で合流するぞ!」

「二人とも気をつけて!」

「待ちやがれ!」


 リチャウターはカシューを抱えたまま広間から別の部屋へ移動し、アダウチオニは二人を追いかけた。


(さっきから他の異救者(イレギュリスト)と連絡がつかない・・・妨害されてるのか!?)


 そう考えながらリチャウターは出口を求め走り回ったが、行き止まりに突き当たってしまった。


救手(すくいて)アーム!!』


 片手を巨大化させ、力強い押し出しで壁を壊そうとしたがビクともしなかった。


「硬い・・・!」

「何やってんだよ!!」


 悪堕者(シニステッド)のアジトはそう簡単には壊れない強度だ、リチャウターが悪戦苦闘している間に追いつかれてしまった。


「今度こそ逃さねぇぞ・・・!」

「く、来るなぁ!!」


 逃げられないと確信したリチャウターは、左手で怯えるカシューを抱えたままアダウチオニと対峙した。


「片手で勝てると思ってんのか!?」

「この手で、守ってみせる!!」




 一方黒皇(ブラックレクス)とカネリファイヤは、パボドレスと不滅氷(エルフォザード)相手に激しい戦いを繰り広げていた。


堕悪(だあく)トリオだと?」

「よ~く覚えておきなさい!やがて悪の頂点に君臨する、最悪のチームでしてよ!!」


(ブラック)を微塵に感じないネーミングだな」

「ゲキアツが足りねえぞ!」

「貴方方に評価する資格があって!?」


 その時、不滅氷(エルフォザード)の指先から放った冷凍光線が、カネリファイヤをカチンコチンの氷漬けにした。


「あっけなさ過ぎてマジ冷めるわ―」


 だがカネリファイヤは、自身を覆い尽くした氷を粉々に弾き飛ばし、再び動けるようになった。


「何っ!?」

「ふっかーつ!この前のようにはいかないぜ冷め太郎!!」

「その程度でいい気にならないでくれる?」


 黒皇(ブラックレクス)もまた、前回の戦いよりパボドレスのスピードについてこれるようになり、彼女の攻撃をかわしサーベルで受け流していた。



「次はどのような醜態を晒されたい?」

「リベンジのし甲斐がありますわね・・・!ですがこの広間は空調がフル稼働してますの、この前と同じ手は通用しませんわ!」


 デス・シンテージの解呪法を巡る戦いで、黒皇(ブラックレクス)は目に見えないガス状の黒呪毒(ブラックベノム)を用いパボドレスに勝利した。


 しかしここでは空気が絶えず清浄化され、ガス状の呪いが十分効果を発揮できない環境だ。


「同じ手を使うまでもない!」

「復讐は悪の王道、コズドの邪魔はさせませんわ!!」




 同じ頃リチャウターは左手でカシューを抱きかかえ、アダウチオニの猛攻をかわしながら逃げるチャンスを窺っていた。


「ボンゴラぁ!沼中カシューを渡さねえなら、テメェごと叩き割ってやるぞ!!」

「ダメだコズド!お前はまだ、人を殺してないんだろ!?今自首すれば、やり直すチャンスはあるはずだ!!」

「やり直すだと・・・?んなことしても、オレの家族は戻ってこねえんだよ!!!」


 アダウチオニの怒りの一撃が、リチャウターの右腕を斬り飛ばした。だがリチャウターはその隙を逃さず足を伸ばして、アダウチオニに浄化のエネルギーを流し込んだ。


救手(すくいて)パルマ!!』

「チィイ!!」


「カシューさんも残りの仇も、おれたちが捕まえて正しく罪を償わせる!それでいいじゃないか!!」

「いいわけあるか!この手で全員叩き割る以外に、この恨みを晴らす方法はねぇんだよ!!」


 アダウチオニはリチャウターの浄化攻撃を受けながら足を掴み、彼を振り回して壁や天井に叩きつけた。


「ぐぅう!!」


 アダウチオニが振り回す力は凄まじく、頑丈な天井が破られ雨が降り注いだ。リチャウターは傷つき雨に濡れながらも、身を挺してカシューを守り続けた。


「テメェは救いようのねえバカだ、こんなクズを守って何の意味がある?」


 それでもリチャウターはカシューを抱きかかえ、震えながら立ち上がる。


「お前は・・・悲しい被害者だ・・・それなのに・・・罪を犯すなんて・・・間違ってる・・・!」

「・・・それでもオレは、復讐を果たす」


「これ以上罪は負わせない・・・!コズドもカシューさんも、この手で守ってみせ―」


 その時、アグリーバードが右手の甲に装着されたクチバシのような武器で、リチャウターの背中をドスッと刺した。

 

 すると刺した箇所からそばかすのような染みがにじみ出て、ドクロの模様を描いた。


『フェイタル・キッス』


 アグリーバードが必殺技を決めリチャウターに背を向けると、死の呪いが発動してリチャウターは崩れるように倒れてしまった。


To be next case

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