第26話 魔法陣研究
今回出てくる魔法陣は少し前にやった魔方陣とは違い、異世界といえばで想像するような魔法を発生させる術式です。
紛らわしくて、すいません
館に帰った俺たちを待っていたのは黙々と事務作業を進めている様子のウスカンさんとカイ、ラルとひとりぐで~としているイグザだった。
「お二人ともお疲れ様です。カプロミボアはどうでしたか」
「2人で9匹狩れました」
「それはすごい。そこらへんの冒険者は1度に狩っても2,3匹というのに」
「おーいイグザ、書き写すだけなんだからちゃんと手を動かせ~」
「だって、つまんないんだもーん」
「勇者様こんな醜態をさらしてすいません」
「カイ、イグザは何をやっているんだ? 」
「魔法陣の作成ですね。手本になる魔法陣を紙に書き写すだけの仕事なんですけどね」
「だけど、勇者様聞いて~!これ超きれいに書き写さないといけなくてめんどくさいんだよね」
そしてイグザは俺に手本となる魔法陣を見せてきた。まさに俺の想像していた魔法陣という感じで幾何学的で特殊な文様でできた円が2週されていた。想像と違かったのはその二重の円のを挟むように数字が一周されている層があったことだ。
「確かに、これは大変そうだな」
「あ、そうだ。もし、魔法陣に興味があったらこの本を読んでみてください。200年以上前の数学者兼優秀な魔法使いだった人の書いた本なんですよ。何やら魔法陣は数学と関係があるようでして、この本には魔法陣の理論的な内容が乗っているのですが、恥ずかしながら私には難しくて理解できなかったんですよ」
ウスカンさんが本棚から取り出した辞書のように分厚く年季にあふれる本の表紙には魔法陣がひとつ描かれていた。
「そうなんですか、ちょっと読んでみます」
《なかなか興味深そうな本だな》
ティポタは知らなかったのか?
《ああ、魔法陣など気にかけたこともなかったな》
「私は? 」
「ウノン~、私の仕事手伝って~」
『魔法陣の概要・・・魔法陣、言わずと知れた魔法を発動するときに生成し、魔法を発射するための砲台的役割を持つものである。この魔方陣には4段階のレベルがある。それは魔方陣の円の数によって分けられ、1重の魔方陣から4重まで高位の魔法使いになればなるほど円の数が増え、消費する魔力量百億なる』
なるほど。さっきイグザが書きうつしていた奴は一重の魔方陣だったな。
《ああ!それで数学にはどうかかわっているんだ? 》
ティポタのいう通り数学とはどうかかわっているのかは気になるな。少しページを繰るとその関連性がわかった。
『魔法創造・・・このスキルを聞いたことがあるだろうか?私はある日このスキルが突然手に入った。このスキルを発動すると頭の中で魔方陣を組み立てることができるようになった。そして魔方陣には三つの大きな構成要素があることが分かった。まず第一に中央に今まで見たことのないような記号で文のようなものが書かれた部分で、ここは魔法創造を使用しても変化させることができなかったことから魔法の核のようなものだと考えている。そしてその中央の周りを囲むのが魔法陣の特性を決めるものだ。第一の円周にある2つの枠は魔法の属性と魔法の効果タイプを定義する。さらにそれを囲む〇や□は何なのか。私にも最初はどういったものなのかわからなかった。だが、そこを適当にいじくって魔法を発動すると暴発するときとスムーズに発動することがあった。それを研究するに私は一つの結論にたどり着いた。〇などは第一の円周にある2つの枠によって定められる1次方程式の解を示しているということが分かった。
しかし、その原理がわかったのはいいが3次や4次の方程式の一般的な解き方が私には見つけ出すことができなかった。そこで以下のページに私の実験記録を残す。後世の数学者がこの記録を有効活用してくれることを心から望む』
なるほど、だがさらっと書いているが魔法を暴発させたりしてるって、かなりマッドなマスマティシャンなのでは?
《体が強ければ1重の魔方陣ぐらいなら耐えるのは簡単だと思うが……》
だがこの本の作者は4重の攻撃魔法陣とかも暴発させてるんだよなぁ。俺がぺらぺらとめくる偉大な数学者の遺物は莫大だった。俺の知っている数学者ってのはフィールドワークや実験なんかせずに部屋で計算してるイメージなのにな。
《ああ、ここまでくると数学者ではないな》
それじゃあ、3次方程式と4次方程式の解の公式を見つけるか。
こんなに早く次話が投稿できたのは本当に久しぶりです。
皆さんのブックマークやいいねが本当に筆の進みを変える原動力になりました。ありがとうございます。
そして、次とその次の話は方程式の説明回になります。




